第25章 でっかい象
ルフィ達はワンダ達に連れられ巨大な鰐ワーニーの背に乗り川を渡っている。先程の大洪水も彼女達のお陰で回避出来た。
「はむっ!」
「いてぇ~!だから噛むなって!」
兎のミンク、キャロットはルフィの耳を甘噛みする。一瞬、ドキッとした花子だったがワンダの表情が柔らかい事から、多分グルーミングみたいなものなのだろうと気にする事を止めた。
「町も水浸しだなぁ。」
「水はすぐに引く。」
「でも、これが1日に2回あるって大変だね…。」
「一緒に魚達も降って来るから食料にも困らないんだよ!」
ワーニーの背から町を見渡す。すると巨大な拷問器具の様な柱が海面から顔を出していた。そこには所々血が付着しており、ワンダ達の醸し出す空気に辺りがシン…と静まり返る。
「…ねぇ、ワンダ!」
「っ!どうしたのだ?花子。」
「落ち着いたら、この国案内してよ!私、初めてだから色々見てみたい!」
ぎゅっと腰に抱き着き柔らかく微笑む花子にワンダは一瞬目を見開くも、胸に温かなものが流れてくるのを感じた。
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水も引き、地面が顔を出すとワーニーは目的の場所へと向かう。辺りは霧に包まれていて遠くまで見渡す事が出来ない。
「…やがて着くぞ。」
「霧が深ぇな!…ゾロ達もいるのか?そこに。」
「その筈だ…隠し砦への道を伝えておいた。」
「…ゾロ君、無事に着けているかな?」
彼の壊滅的な方向音痴を知る花子には一抹の不安が過る。ロビン達もいるから大丈夫だろうと、ケラケラ笑うルフィにそれもそうかと納得した時、辺りが青い膜に覆われた。
「"シャンブルズ"」
「「「うおぉっ?!」」」
「皆っ!」
「あー!お前等~!」
突然現れたゾロ達にルフィと花子は嬉しそうに顔を綻ばせる。しかし、ウソップはがばっと起き上がると慌てた様子で口を開いた。
「おい、ルフィ!どこを食われた!?手足はあるか!?」
「ルフィ君、どっか食べられたの?」
「いや、俺は食われてねぇぞ?」
ゾロを盾にしてワンダ達に声を荒げるウソップに2人はキョトンと首を傾げる。
("シャンブルズ")
(わっ!ロー君、いきなりはビックリするよ!)
(花子、大丈夫か?怪我はしてねぇか?)食われてねぇか?
(うん?大丈夫だよ?)食われる?