第25章 でっかい象
一方ゾロ達も森を抜け象の背中の中心都市である"クラウ都"に辿り着いた。途中、ワンダ達に出会い"ウバラの森"で合流しようと言われ取り敢えずそこに向かう事にした様だ。
「襲撃を受けたと考えて間違いなさそうね。家の中には生活の跡があったわ。つい最近の出来事ね。」
「やっべぇー!この国、やっべぇー!?」
本来は栄えていたであろう都市が今は見る陰なく壊滅状態。建物は崩壊し、所々には獣の爪痕の様なものもある。
「敵が人間かも疑わしいな。引き裂いた様な爪痕が多い。」
「それに巨大な足跡が…ミンク族の国を怪物や獣達が襲ったのか?」
「ひぃいぃぃっ?!」
「爪痕に関しちゃ仲間割れの線もあるな。」
唯一分かるのはこの都市がほんの1、2週間で滅んでしまったと言う事。少し調べる必要がありそうだと辺りを見渡していると、突然地を這う様な地鳴りが聞こえてくる。何事かと警戒すると空一面に水のカーテンが覆い被さる。
「何だありゃあ?!水!?」
「洪水になる量よ!皆高い場所へ!」
「嘘だろ!」
慌てて高台に飛び乗った瞬間、滝の様な水が降り注いだ。ロビンの声かけが無ければ皆流されていた事だろう。
「海水?もしかして今のは巨大象の水浴びじゃないかしら。町も森もこの水位に順応してるんだわ。」
「つまり、これが日常なのか…。」
「こんなびっくり豪雨が日常に起きてたまるかよ!早く皆を見つけてこんな島退散すべきだ!…ん?」
誰よりも高い場所に避難したウソップが何かを見つけた様子。望遠機能を兼ね備えたゴーグルを動かしその姿を捉えている。
「町の奥にルフィがいるぞ!花子も!さっきのナミ犬女とジャンプ兎も一緒だ!」
「何っ、花子は無事なのか!?」
「あのでっけぇ鰐に乗ってどっか行く様だが…ルフィの奴騙されて敵のアジトに連れて…ぎぃあぁあぁぁっ?!」
「どうした?!」
ルフィと花子の姿を確認し2人の居場所を特定しようとゴーグルを動かしていると、突然ウソップが奇声を発した。
(ルフィが少し食われたぁー?!)
(やっぱり食人族かしら。)
(おい、ゴッド!花子は無事なのか!?)
(…ルフィの心配もしてやれよ。)