第25章 でっかい象
突然聞こえた女の声。それと同時にヒラヒラとした赤い布とバナナが投げ出される。すると、牛のミンクは方向を変え布に突っ込み、ゴリラのミンクはバナナに飛び付いた。
「…。」
「これで…良かったのか?」
一瞬にして事態が治まった事に呆気に取られていると、女の犬のミンクと兎のミンクがルフィに近付いていく。
「ゆティア、麦わらのルフィだな。私はワンダ!こティアも何もしない、もう抵抗するな。」
「犬っ?!」
(…可愛い。)
近付いてきたワンダに一瞬驚いた表情を浮かべるも、突然襲ってきたのはあいつだとルフィは不満げに顔を顰める。
「それはゆティアが入ってはならぬ森へ侵入したからだ。」
「わっ!」
「ガーディアンズ!すぐに連れ出す!許してくれ!」
ワンダはルフィの鼻をペロリと舐めると何処かに向かって叫んだ。すると森から男の声が響き渡る。
「…ワンダに免じて、退くぞ!ロディ、BB!…全員退けっ!」
「わっ、声イケメン。」
「…花子。」
「ペドロ。」
少しきゅんとした顔をする花子にペンギンやシャチが呆れた顔をする。ペドロの声に周りに待機していたガーディアンズが去って行くのを確認し、ワンダは安心した様に顔を綻ばせる。
「…囲まれていたのか?!」
「…今が月夜でなかった事に感謝しろ。」
「?…花子、大丈夫だったか?」
「うん、ルフィ君も大丈夫?」
神妙な面持ちのワンダにルフィは首を傾げながら木の幹に座り込む花子を抱き上げた。仲睦まじい様子にベポがルフィに声をかける。
「麦わら、久し振りだな!」
「ん?」
親しげに話すベポにルフィは首を傾げる。その様子に頂上戦争の時に世話をしてやっただろうと、説明されあっと思い出した様に笑顔を見せた。
「あれ?お前トラ男んとこの喋る熊じゃねぇかー!」
「トラオ~?違うよ!俺達トラファルガー・ローの部下だよ!ハートの海賊団っ!」
「だからそう言ったろ。」
「言ってねぇよ!」
後でトラ男とはローの事だと説明すると、彼もここに来ている事が分かりベポ達は早くキャプテンに会いたいと、はしゃいでいた。
(でも、何で花子も一緒なんだ?)
(まぁ、色々あって…。)
(キャプテンには会えた?)
(…うん。)
((よそよそしい…!))ガーンッ