第4章 この苛立ちは君のせい
「もう~!マルコのせいでお昼になっちゃったじゃない!」
「悪かったって…。」
マルコに背負われ愚痴を溢す花子はぺしぺしと彼の肩を叩く。結局、再戦を決め込んだ2人。しかし、マルコの攻めが余りにもネチッこく終わる頃には花子はもう腰砕け。1人で風呂にも入れず彼に入れて貰ったが、そこでまた盛ったマルコとの攻防戦が繰り広げられ、気付けば正午を過ぎていた。
「絶対、怒られる…。」
「だから、俺が付いて行ってやってんだろぃ?」
マルコの正体を知らない花子には不安が募る。一般人である彼が海賊相手に大丈夫なのかと。
「心配しなくても、花子の事は俺が守ってやるよぃ。」
「マルコ!素敵!イケメン!」
「よぃよぃ!もっとくっ付け。その方が背中に胸が当たって気持ちいいからよぃ!」
「セクハラ!」
感動を返せと彼の背中を叩く花子にマルコは大口開けて笑い出す。目の前に広がる大きな背中。不思議な安心感に花子はそっと身を寄せた。
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花子 side
見渡す限りの青い空、青い海。澄んだ空気が心地好い。でもポーラータング号だけが…。
(空気が淀んでるっ?!)
マルコにおんぶして貰い私はやっとの思いでポーラータング号が停泊している船着き場まで辿り着いた。皆心配してるかなぁ何て思い少し離れた船を見つめ私の思考は停止する。
「マルコさんや…Uターン、プリーズ!」
「ん?船に戻んねぇのか?」
「無理無理無理っ!?」
何っ?!あの禍々しいオーラ?!魔界への扉?!ゴートゥーヘル?!
「見て!あの!真っ黒な空気!」
「ん?あぁ…殺気をビンビン感じるよぃ。」
「何でそんな冷静なの?!」
あんな所にマルコ連れて行ったら完全にとばっちり受けるじゃない!兎に角、私の身体が言う事利くまで安全な場所に…!
「兎に角、早くバレる前に宿屋でも何処でも良いから戻るわよ!」
「何だ?やっぱり俺と離れがたいのかぃ?」
「馬鹿な事言っ「"ROOM"」
頭の中お花畑のマルコを急かしていると、ロー君の声と同時に周りが青い膜に覆われる。
「へぇ…悪魔の実の能力者か。」
「悪魔?」
確かに彼処にいるのは悪魔だけど。
「よく分からないけど早く逃げ「"シャンブルズ"」
「うひゃあっ?!」