第25章 でっかい象
町を抜けまた森を歩くルフィ達。花子もやっと正気を取り戻し周りの様子を眺めていた。
「何だか不思議な所だね。」
「あぁ…おい!あれ見てみろよ!」
木々が生い茂りその隙間から見えるのは天高く聳え立つ巨木。それは鯨の形をしており幻想的な姿にはっと息を飲む。
「うはぁ~!でっけぇ~!あれに登ったらこの島よく見えそうだ!」
「綺麗…。」
「よし!あそこに行ってみよう!」
花子を抱え直し木に飛び乗ったルフィは猿の如く枝から枝へと飛び移り鯨の木を目指した。
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森を進んでいくと突然ピタリとルフィが歩みを止めた。ピンッと張り詰める空気に花子が不安そうにルフィを見上げるとある1点を睨み付けている。
「モォー!」
「牛っ?!」
突然、牛の姿をしたミンク族がルフィに向かって突進してきた。身体からは電気が発せられており、攻撃を躱したルフィは離れた木の幹に花子を下ろす。
「ここで待ってろ。」
「う、うん…。」
大丈夫だと花子の頭を撫でるとルフィは牛のミンクに突っ込んでいく。額に武装色を纏わせ頭突きを繰り出すルフィに牛のミンクが応戦する。
「ウホ…何故、あガラ…"エレクトロ"が効かんのだ!?」
牛のミンクと一緒に現れたゴリラのミンクが驚いた様子で2人の戦いを見つめていた。ピリピリとした空気が肌を突き刺す。
「止めてくれぇー!?」
「…ベポ!?」
お互いがぶつかり合う風圧、バチバチと光る電撃に目を細めると焦った様な懐かしい声が聞こえてきた。
「そこまで、そこまでー!そいつは知り合いなんだっ!」
駆け寄ってきたベポはルフィに攻撃している牛のミンクに懇願する。しかし、頭に血が上っているのかベポの声に耳を傾ける事はない。
「ベポっ!」
「花子?!」
「何でここに?!」
ベポの後ろにはペンギン、シャチ。そして新しく仲間に加わったジャンバールの姿。皆、身体に包帯を巻いていたが今はそれどころではない。
「お願い!あの人止めてっ!」
「知り合いだろうが侵入者だっ!」
「もう力ずくで止めるしかねぇな!」
ジャンバールがゴリラのミンクに飛び掛かるが、その怪力からあっさりと投げ飛ばされてしまった。どちらかが倒れるまで止められないのかと諦めた時。
「そこまでだっ!ガーディアンズ!」