第25章 でっかい象
花子 side
「こっ…怖ぇー?!」
「ゾロ君、絶対離さないでねっ!」
「分ってる。」
カン十郎さんの術で出した龍の背中に乗り私達は今、象の足を登り"ゾウ"を目指している。ぴゅ~んっと上までひとっ飛びで行くかと思えば、この子は飛ぶ事は出来ないらしい。
「うぅ~…やっぱり後ろの方に座れば良かった…。」
私はゾロ君の前に横向きに抱えられ座っている。初めはロー君が私を抱えると言ったんだけど、さっきの事もあったから丁重にお断りした。
「そういやお前等何で"ゾウ"に行きてぇんだったっけ?」
ルフィ君が後ろを振り返り錦えもんさんとカン十郎さんに尋ねる。…ルフィ君、この状況で後ろを振り返られるって凄いね。
「…そうでござるな。お主等は恩人。いずれ全てを話さねばならぬが、まずは安心させてくれ!」
「安心?」
「うむ…。"ワノ国"を出て、この"ゾウ"こそが我等の目的地!モモの助は無事であるか、また海上にて逸れたもう1人の同心"忍者"の雷ぞうは無事この島に着いておるか確認したい!」
「「「えっ?!」」」
忍者何ているんだぁ~。懐かしい呼び名に少しホッコリしていたらルフィ君含め男性陣の空気が変わった。
「「「忍者っ?!」」」
「忍者なのか?!」
「何?」
「皆、忍者好きなの?」
「何言ってんだ、花子!忍者は男のロマンだぞ!」
「そーだ、そーだ!」
「へ、へぇ~…。」
ルフィ君は目を輝かせ、フランキーさんとウソップ君は忍者について熱く語り出した。ゾロ君やロー君までも心無しかわくわくしている様子で、男の子の趣味は分からん…。
「!上見て!何か降ってくる!」
いち早く気付いたロビンちゃんの声に上を向くと、空から変な鳴き声を上げながら何かが落ちてくる。逆光によりその姿は確認出来ないけどこのままだとぶつかってしまう!
「危ねぇ!」
「ぶつかるぞ!避けろ!」
「わぁっ?!ゾロ君、いきなり動かないでっ!」
「「うわぁああぁっ?!」」
「皆、大丈夫か!?」
落ちてくる何かを避ける為にゾロ君が私の肩を引き寄せてくれた。ゴチンッとぶつかる音が後ろの方で聞こえたけど大丈夫かな?
((わぁああぁっ?!))
(2人が落ちたぞっ?!)
(えっ?!)
(お~い!錦えも~ん!カン十郎~!大丈夫かぁ~!?)