第24章 託された思い
花子 side
ぐすぐすと啜り泣き嗚咽しながら話す私をジルさんは優しく頷きながら聞いてくれた。
《そう言やマルコがお前に会いたがってたぞ。》
「…マルコが?」
《おぉ、一応お前の事は話したが…凄ぇ心配してた。》
そう言えばあの時、会いに来てくれると言ってたなぁ。優しく微笑んでいた彼の事を思い出し自然と顔が綻ぶ。
《…それで、だが。花子、お前はどうしたい?》
「え…?」
《お前が帰って来てぇなら、迎えに行く。》
ジルさんの所に戻るか、ここに残るか…。好きな方を選べと言われ困惑する。ジルさんには会いたい…でも、私は…。
「…。」
《お前はどうしたい?》
「私は…。」
言葉が見つからず皆の顔を見渡すと何も言わず真剣な顔をしている。ルフィ君と目が合えばニカッと笑って頷いてくれた。
「私は…ルフィ君達と一緒に行く。」
《…後悔はねぇのか?》
「…うん。」
ここでジルさんの所に戻ってしまったら、きっと私は後悔していまう様な気がした。自分は何故この世界に来たのか…自分は何者なのかを知りたい。
「私…もっと世界を見たい!何が出来るか分からないけど、もっとこの世界の事が知りたい!」
《はぁ~…。》
しゅんと頭を垂れ謝ると盛大な溜め息と共に電伝虫がへにょんと目玉を垂れ下がらせる。きっとジルさんも頭を抱え項垂れているんだろうなぁ。
《…正直、すぐにでもお前を連れ戻したいところだが。》
「我が儘言って、ごめんなさい…。」
《お前の決めた事だ。可愛い子には旅をさせろと言うが…。》
ふっと力なく笑うとジルさんはルフィ君に変わってくれと言うので、受話器を彼に差し出した。
《聞いてた通り、こいつはお前等と一緒にいるみてぇだ。》
「おうっ!心配すんな!花子は俺達が必ず守る!」
《こいつは危なっかしい所があるから迷惑かけると思うが…よろしく頼む。》
真剣な声に任せろと力強く頷いたルフィ君に安心したのか、ふと電伝虫の目元が和らいだ。
《じゃあな、花子。身体には気を付けろよ。》
(うん!ジルさんもね!)
《次帰って来る時にゃあ、孫の顔でも見せてくれよ!》後、定期的に連絡しろ!
(何、言ってんの?!)それはするけど