第24章 託された思い
花子 side
私はバルトロメオ君にお願いして電伝虫を貸して貰った。1人で大丈夫だと言ったんだけど皆心配してくれて、皆が見守る中震える手で番号を押した。
ぷるぷるぷるっガチャッ
《もしもし、どう言った用件でしょうか?》
「っ!」
電伝虫から聞こえてきた懐かしい声。聞きたくて…会いたくて堪らなかった…。
《もしもし?…悪戯か?》
「ぁ!」
早く…早く何か言わないと…そう思っているのに言葉が喉に詰まって上手く出せない。すると隣にいたゾロ君がぎゅっと手を握り締めてくれた。
「…。」
大丈夫だと…落ち着かせる様にしっかりと私を見つめている。
《用件が無いなら「ジルさんっ…!」
やっとの思いで絞り出した声は情けないくらいに震えていた。
《…花子か?》
「っ!」
《花子…なんだな?》
「う"んっ!」
ポロポロと涙を流し鼻を啜る私の声に、ジルさんが息を飲むのが分かった。
《花子っ!お前、どうやって…?無事なのか?!何処にいる?!》
「うん"っ…う"ん"っ…!」
私を心配するジルさんの声。もっともっと沢山言いたい事があるのに言葉が上手く出てこないよ…。
「おっさん。俺だ、ルフィだ。」
《…ルフィか。お前随分と派手にやらかしたな。》
「花子は俺達と一緒にいる。心配はいらねぇ。」
《…花子に変わってくれるか?》
分かったと頷くとルフィが私に受話器を差し出す。ここからはお前が決めろと言われている様で、ぐっと涙を拭い受話器を受け取った。
「ジルさん、あのね…。」
《詳しい事はミアから聞いた。お前の事も…コハクの事も。》
「ミアさんっ、生きてるの?!」
《あぁ、コハクが連れてきてな。今じゃあうちの店を手伝ってくれている。》
ミアさんが生きている…その事が嬉しくてホッとしていると、ジルさんの啜り泣く声が聞こえた。
《すまねぇなぁっ…お前にばっかり辛い思いさせてっ!》
「っ!」
《怖かったろっ…寂しかったろぉ…!》
何度も謝るジルさんに抑えていた気持ちが溢れ出した。違うっ…違うよっ!ジルさんが悪いんじゃないよっ!
「っ!怖かったっ、凄くっ…不安だったよぉ…!」
他にもいっぱい言いたい事はあるけど…。
「ジルさんにっ…会いたいよ"ぉっ!」