第24章 託された思い
このままでオオロンブスの船で"ゾウ"まで向かうのかと思いきや彼等ともここで別れの様だ。では一体誰の船で向かうのだと辺りを見渡していると、何とも麦わらの一味が乗っていそうな船が現れた。
「「「…。」」」
「うぅ~っ!花子先輩!おらぁ感動だべぇ~!嬉し過ぎて嬉ションしちまいそうになるべぇ!?」
「落ち着いて。ほら…ヒッヒッフーッ!」
「んだっ!」
「いや、何でだよっ?!」
溢れんばかりの輝きを放つバルトロメオの笑顔に一同唖然。その目には涙が浮かんでおり歓喜余り問題発言した彼を花子が宥める。しかし、呼吸法が違うだろうとウソップにツッコミを入れられた。
「何とも個性的な船だね。」
「取り敢えず乗るぞ。」
花子を抱えゾロが飛び乗った船はバトルクラブ海賊船"ゴーイングルフィセンパイ号"。ルフィをモチーフにした船首。メリーらしき船首もしっかり残されており、チョッパーの顔が船尾に堂々と鎮座している。ナミの蜜柑の木もしっかりとオマージュされていて、逆によくここまで揃えたと感心すら覚える。
「俺は今、猛烈に感動しているぅ!?このマニアックな造りと遊び心満載で…スゥーパァーな愛に満ち溢れているぜっ!」
「「「ありがとうございます!フランキー先輩っ!」」」
「…マニア心が変態心を揺さぶったか。」
「何でも極めれば通じ合うんだね~。」
フランキーに誉められバルトロメオ筆頭にクルー達は嬉しそうに雄叫びを上げている。凡人では分からない境地にウソップは顔を引き攣らせ、花子はぼぇっと彼等の様子を眺めていた。
「そしてこのビブルカードが示す先には…!何と何と我等が崇拝してやまない…!」
「「「本物のルフィ先輩っ!」」」
台座に置かれた半円の球体の中央にはビブルカードが1枚。その先にいるルフィの姿は彼等にはさぞ神々しく見えているであろう。
「ぶあぁ~!?ようごそこの船にご乗船いただき重ね重ねありがどう存じますだべぇ!」
「ボス!眩しくて顔が見られねぇ!」
「俺なんか余りの神々しさに目が潰れちまったぁっ!」
「…ロー君診てあげなよ。」
「…死んでもごめんだ。」
全員がこのノリなのかと、ウソップは頭を抱え面白い奴等だとルフィは楽しそうに笑い転げていた。