第24章 託された思い
自ら子分盃は交わさなかったベラミーだったが丸々と太ったルフィに近付き彼の持つビブルカードの端を千切った。
「子分にゃならねぇが…こいつは貰っていく。」
「ん?ところで誰のだ?これ。」
「おめぇのだよっ!」
「サボ君がルフィ君が寝ている間に持ってきてくれたんだよ。」
「ふ~ん…サボが。」
するとベラミーに続く様に次々と子分盃を交わした船長達がルフィのビブルカードを千切っていく。
「では暫しの別れだ!いずれまた会おう!我等が主"麦わらのルフィ"!」
「おうっ!」
ルフィと笑い合っている船長達。その中に花子はサイにへばり付きぶら下がっているベビー5を見付け声を掛けた。
「ベビーちゃん。」
「どうしたの?花子。」
なかなか来てくれないだろうと思っていたが、意外にもあっさりとサイから手を放し近付いてくる彼女に花子は自分のビブルカードを差し出した。
「これ、もし良かったら持っていて欲しいな。」
「これは…花子の?」
「うん。色々あったけどベビーちゃんとはお友達でいたいから。」
にっこりと微笑む花子にベビー5は口元を両手で覆い涙を溢れさせている。今は愛に生きると決めたがドフラミンゴの部下だった時、自分は花子を助ける事が出来なかった。そんな自分を彼女は友達と…。
「うんっ、うんっ!私も…花子は大切な友達よっ!」
「嬉しいなぁ。」
「あなたっ!花子も連れていっていい!?」
「え?」
「「「いいわきゃねぇだろっ!?」」」
「さっさと消えろ。」
花子を抱き締めサイに連れていくと頼めば、麦わら一味からのブーイング。ローに至っては鋭い眼光でベビー5を睨み付けていた。
「必ずまた会いましょう!」
「その時は2人の子供、楽しみにしてるね。」
「やだっ、気が早いわよっ!」
「…。」
「おめぇも大変だな…。」
きゃぁっと顔を赤らめ頬を両手で包み込むベビー5は少女の様で、苦笑いを浮かべるサイの肩をウソップがポンと叩いた。
「じゃあなぁ~!また会おう~!」
各々自分達の船に戻っていった同志達を見送り、麦わらの一味は次の目的地である"ゾウ"を目指す。