第3章 初上陸
ぷりぷりと怒る花子の頭を撫で謝罪になっていない謝罪をするマルコに、拗ねた様に睨み付け花子はゆっくりと口を開いた。
「確かに私が乗っている船は海賊船だけど、私はクルーじゃないよ。」
「へぇ。」
「この傷はちょっと色々あって、その船のクルーの子を庇った時に出来た傷なの。」
花子がポーラータング号に乗っていられるのはこの傷が治るまで。そう思うと一生消えて欲しくないと考えてしまう自分に自嘲した。
「痛かったかぃ?」
「そりゃ痛いよ!銃で撃たれたことなんて無かったもん。でも、友達が傷付くよりずっとマシ。」
「そうかぃ。」
ぎゅっと後ろから抱き締め傷口に何度もマルコはキスをした。まるで慈しむ様に、傷が早く治る様に。
「何?傷物の女は嫌?」
「いや、そんなこたぁねぇよ。これは花子が友達を身体張って守った傷だろ?」
そんな勇敢な女を抱けて光栄だと言うマルコに花子の心はじんわりと温かくなった。
「お前の身体に俺じゃねぇ他の痕が残るのは腹立たしいがねぃ。」
「んっ!」
ベロリと舐めとる様に傷を這うマルコの舌に花子は慌てて身をよじり抵抗する。
「マルコ、まっ…ンあぁっ!」
「花子…お前、さっき言ったよなぁ?」
いきなり収まっていたモノを抜かれ切なさを覚える花子を、マルコはギラギラと鋭く光る目付きで押し倒した。
「後1回、付き合ってくれんだろう?」
「や…それは…あの。」
「安心しろ。時間なんて気になんねぇくらい…ドロドロに甘やかしてやるよ。」
舌舐りをし自分を見下ろすマルコの色気に花子はゾクリとした。もう逃げられないと。しかし、傷口を撫でるマルコの手は温かく優しい炎に包まれている様な安心感を覚えた。
(馬鹿っ!本当に信じられないっ!)
(ちゃんと1回で終わったろぃ?)
(だからって2時間もする?!)立てないっ!
(よぃよぃ。)おぶってやるよ