第24章 託された思い
モクモクと煙が立ち込める中、皆興味津々と花子のいる場所を見つめている。だんだんと煙が晴れ花子の姿を目にし全員が驚愕した。
「っ?!何、これぇー?!」
「「「ブーッ??!」」」
「ほうほう…やはり花子殿は着痩せするタイプであったか!」
「おい、錦!なんつうもん出してんだっ!?」
花子はナミが着ていそうな面積の小さなビキニに、尻たぶが見えそうな程の丈の短いパンツ姿。たわわに実った胸がぷるりっと揺れ、白く細い足が惜し気もなく曝け出されている。
「ちょっと!何でこれなの?!」
「む?異国のおなごとはこの様な格好をするのではござらんか?」
「何?!その間違った知識っ!?」
花子の姿を見た者は飲んでいた酒を一気に吹き出し鼻血を流している者も。鼻の下を伸ばしグッと親指を立てる錦えもんにゾロが目を吊り上げ胸倉を掴んだ。ローも吹き出してはいないが驚きの余りカッと目を見開いたまま固まっている。
「これなら濡れていた方が良かったよぉ~…。」
「「「…。」」」
「なんか…お前可哀想な奴だな…。」
「ほら、俺の海パン使うか?」
「いらんわっ!?」
頬を赤らめ目を潤ませる花子に言葉を失う。恥ずかしそうに身を縮込ませ隠そうとする姿がいじらしく、前屈みになる者も出てきた。唯一ダメージの無かったウソップとフランキーが彼女に声をかけ、差し出された海パンをペイッと叩き落とした。
「まったく…ほら花子、私の替えの服があるからそれ貸してあげるわ。」
「ベビーちゃん…!」
「ついでにお風呂も入りましょう。濡れて冷たいでしょ?」
「ロビンちゃん~…!」
ベビー5が花子を抱え、ロビンも彼女の頭を撫でながら3人は船内に消えていった。
「…おい。」
「「「?!」」」
3人が姿を消し甲板はシンと静まり返る。その静寂を破ったのは、ルフィの地を這う様な低い声だった。
「今見たの…全部忘れろ。」
「え…。」
「いや…その…。」
「…返事は?」
「「「はいぃっ!?」」」
「1mmでも覚えていやがったら、てめぇ等の脳ミソ細胞まで切り刻んでやるからな。」
見た事も無い様なルフィの反応。人1人殺しそうな程のゾロとローの眼力にその場にいたものは皆、ピンッと背筋を伸ばした。