第24章 託された思い
花子 side
「やだぁ~!まだコハクといる~!」
「お前、いい加減にしろっ!」
コハクと感動の再会を果たした私は暫くコハクの頭でわんわん泣いた。なかなか上がって来ない私に痺れを切らしたロー君が能力で船まで上げ、駄々を捏ねる私をゾロ君が抱き上げた。
『花子、もうお前の側を離れはしない。これからはずっと一緒だ。』
「っ本当?」
『あぁ、俺ももうお前から離れたくない。』
「っ~!やっぱりまだいる~!!」
綺麗な金色の瞳は優しく私を見つめていた。まだ離れたくなくてゾロ君の腕の中で暴れていると、いい加減鬱陶しくなったのか頭を叩かれた。
「ゾロ君、酷いっ!」
「うるせぇっ!お前が暴れるからだろうがっ!」
『おい!まりも男!花子を殴るなっ!』
「ほら!コハクだって怒ってる!」
キィーキィーッと文句を言っているコハクを見つめゾロ君はケッと顔を顰める。
「なぁ、花子はコハクの言葉が分かるのか?」
「?うん、皆は聞こえないの?」
ルフィ君の問いに周りを見渡せば皆にはコハクが鳴いている声しか聞こえないみたい。何でだ?
『俺の声は人間では花子にしか聞こえない。』
「そうなの?」
『あぁ。だが、それで構わない。花子にだけ俺の声が届いていれば。』
「コハクッ…!」
何て可愛い子なの!コハクが人間だったら絶対に惚れてたよっ!歓喜余って海に飛び込もうとしたら、またゾロ君に叩かれた。…ぎゃふんっ!
ーーーーーー
「うぅ~…びしょびしょだぁ~…。」
「自業自得だ。」
「だって嬉しかったんだもん。」
海に飛び込んだ私はよく考えれば替えの服も持っておらず濡れ鼠状態。コツンと小突くゾロ君を恨めしそうに見つめていたら、お侍さんが近付いてきた。
「それならば某にお任せいたせいっ!」
「えっと…錦えもんさんだっけ?」
「うむ!そなたは花子殿であろう?」
こうやって話すのは初めてだなぁ、てか任せろとはどう言う事なんだろう?
「某の術で服を用意いたす!」
「そっか!錦の術なら新しい服用意出来るな!」
「…ずぶ濡れよりマシか。」
取り敢えず錦えもんさんに任せたらいいのかな?よく分からないまま私は葉っぱを渡されそれを頭に乗せた。
「では!"フクフク"の術っ!ドロンッ!」