第23章 鳥籠を飛び出して
自分だけに見えるルフィ達の後光にうわぁ~!と目を覆い踞っていたバルトロメオだったが、花子の姿を見付けぎょっと目をひん剥いた。
「先輩方っ、何でこの女がここにいるっべっ?!」
「ん?花子の事知ってんのか?」
「知ってるも何もっ、こいつはドフラミンゴの愛人だべ!」
「アイジンって何だ?」
「主に異性間の深い性愛関係の相手の事を指すわ。人によっては恋人とも呼べるわね。」
「ふ~ん。」
ロビンを辞書変りに扱ったルフィは分かっておらず、バルトロメオは何でおめぇがいるんだとベットに腰かける花子に詰め寄る。
「まさか今度はルフィ先輩方に取り入る気じゃねぇだろうなっ!?」
「う~ん…別に取り入る気は無いんだけど…。」
どちらにしても自分は彼等とはここでお別れだろうし、余計な事は言わないでおこうと花子は言葉を濁すと、ルフィが肉を持っていた手をダンッとテーブルに叩き付けた。
「おい、止めろ!花子は俺の大事な仲間だぞ!」
「…おい。」
「いや、なった覚えないから。」
確かに海賊王になったら船に乗せると言われたがそれは先の話。ギロリと鋭い眼光で睨み付けるローに頭を悩ませていると、あんぐりと口を開けたバルトロメオがぷるぷると震え出した。
「まさか…まさか貴女が幻の9人目の麦わらの一味の1人でづかぁ~?!」
「「「は?」」」
「おらぁ、噂で聞いたべぇ~!麦わらの一味にはもう1人仲間がいるってぇ~!今だ姿を見た奴はいながったが、まさかドフラミンゴの所にスパイとして潜入してたなんてっ…!」
「「「…。」」」
「…うん、もうそれでいいや。」
「いいのかよっ?!」
「こんな所でお会い出来るなんてっ、感動だべぇ~!」
握手してくださいと、手を差し出された花子は説明が面倒になったのか、にっこりと微笑むとバルトロメオの手を握った。
「で、お前は何しに来たんだ!まさか、そんな下らねぇ事言いに来たんじゃねぇだろうな!?」
「そうでした!海軍のテントに動きが!ボチボチここも危ねぇべ!加えて大参謀おつる中将と前元帥センゴクが到着したっぺ!」
「何っ?!レオ、そっちは何の用だ!」
《あっ!その海軍が動き出しました!》
そんな重要な事は早く言えと、ゾロに殴られたバルトロメオは幸せそうな顔をしていた。