第23章 鳥籠を飛び出して
ルフィとゾロに邪魔をされ不機嫌さを隠そうともしないローに花子が苦笑いを浮かべ宥めていると、ルフィが突然思い出した様に声を上げた。
「あっ!そう言えばサボは何処だ?俺話したい事いっぱいあんだ!」
「サボ君なら…。」
自分を送り届けて行ってしまったと伝えると、ルフィは凄くショックを受けた様に顔を曇らせると、キュロスの家が震えんばかりの大声を上げた。
「っるせぇな!今度は何だ!?」
「だって、サボがぁ~!俺、まだちゃんと話してねぇのにぃ~…!」
「メソメソすんなっ!」
「いつ?!いつ行ったんだ?!」
シクシクと涙を流すルフィにゾロが鬱陶しそうに声を荒げる。自分が寝ている時に行ったと教えれば、今度は烈火の如く怒り出した。
「何で起こしてくれなかったんだよ!?」
「サボ君が起こすなって…顔を見に来ただけだから寝かせてあげてって言ってたの。」
「それでも起こせよ!花子のアホ!馬鹿っ!アホっ!…え~と…アンポンタン!」
「こいつの語彙力どうなってんだよ。」
プンプン怒り花子を責めるルフィ。しかし、ボキャブラリーの乏しさに子供の様な口振りになってしまいローは呆れた顔を見せる。
「うぅぅ~…!サボォ~…!」
「また会えるわよ、ルフィ。」
ロビンが慰めるも全く聞いておらずボロボロと涙を溢すルフィは、肉を鷲掴み悲しみを紛らわす様にかぶり付いた。
「食べるんだ…。」
「食うか、怒るか、泣くかどれかにしろよ!忙しねぇなっ!?」
食べる事は勿論止めないが感情豊かなルフィに、花子は苦笑いを浮かべ、ゾロが声を荒げていると、2人の声を掻き消す様に電伝虫の声が鳴り響き、それと同時に玄関の扉が勢いよく開いた。
「ゾロ先輩~!うわっ!ルフィ先輩お目覚めになられてんべ!おはようございます!」
《隊ちょ…キュロス様!レオれす!》
どうやら電話の相手はトンタッタ族兵長のレオの様だ。しかし、バルトロメオの登場のインパクトが強すぎて全員の意識か彼に向いた。
(ぐおぉ~!5人も麦わらの一味が揃うと眩しすぎて見えねぇべ~!まるで偉大さのビームだべ!もしいづか"麦わらの一味"オールスターズに会っちまった日にゃおれぁ失明しちゃうべ~!)
(うるせぇな!さっさと用件を言え!用件を!)
(こいつ等は静かに出来ねぇのか…。)