第23章 鳥籠を飛び出して
花子 side
突然のロー君の告白に私の思考は一気に停止した。すきだ?隙だ?…いやいや。
「…好きっ?!」
「俺はお前が好きだ。」
「え?や…えぇっ?!」
「花子の奴、完全にパニクってるな。」
きっと私は顔から湯気が出るくらい赤くなっているだろう。ふと食事をしている皆に目線を送ると、ルフィ君は肉に夢中だし、ゾロ君は怖い顔でこっちを睨み付けている。ちょっと、ウソップ君!そんな生暖かい目で見ないで!ロビンちゃん達もそんな微笑ましそうな顔止めてっ!?
「だって…!ミラちゃんは?」
「あいつは妹みてぇなもんだ。今も昔も俺が好きなのはお前だけだ。」
そんな…じゃあ、私の勘違いだったって言うの?ロー君がミラちゃんの事が好きだと思ったから私は…。
「そんなの…分かんないよっ…。」
「…。」
「だって…そんな事、1度も言ってくれなかったじゃない。」
仲良く寄り添う2人を見るのが辛くて…でも幸せにはなって欲しくて…だから私は諦めて身を引いたのに…。
「…俺がお前を傷付けた事は事実だ。それについては言い訳はしねぇ。」
「…。」
「だから、俺にチャンスをくれないか?」
「…チャンス?」
「2度とお前を傷付けねぇ。お前を愛するチャンスを俺にくれないか?」
私を見つめるローは凄く優しい顔をしていて、私の大好きなその表情にきゅんっと胸が高鳴った。
「ロー君…イケメン…。」
「…お前も相変わらずだな。」
「っ!…ちょっと、待って!」
ニヤリと意地悪い笑みを浮かべロー君は顔を私に近付けてきた。イケメン過ぎて少し反応が遅れてしまった!待って、待って!展開早過ぎっ?!
「ロー…わぁーっ?!」
「ぐっ…!麦わら屋、何しやがる!?」
「ん?悪ぃ、手が勝手に。」
後、少しでロー君と唇が重なろうとした時、ルフィ君がロー君の首根っこを掴み、ゾロ君が私とロー君の間に刀を振り下ろした。
「ゾロ君、危なっ?!当たったらどうすんの?!」
「そんなヘマはしねぇ。」
「何、その自信!?」
いくら鞘に納まっているからって怖いよっ!?しかもちょっと鼻に当たったしっ!?
「…てめぇも流されてんじゃねぇよ。」
「いや~…。」
あはは~と、乾いた笑いをするとゾロ君は顔を顰め、刀の柄で私の頭を小突いてきた。