第23章 鳥籠を飛び出して
ローの正論にルフィはムッと顔を顰めると真っ直ぐに彼の瞳を見つめた。
「そんな先の話後でもいい!この国をよく見てみろ!今俺達が止まってどうするんだ!」
「…それはっ!」
ドフラミンゴによるゲームは既に始まっている。"ドレスローザ"全体を覆う糸により外へ逃げ出す事も出来ない。
「俺がドフラミンゴをぶっ飛ばす!これ以外に道があんのか!」
彼等に残された道は1つ。それはドフラミンゴを倒す事。無茶苦茶だが真っ直ぐなルフィの瞳に、ローは眉間に皺を寄せ舌打ちを溢す。
「それに、あいつは花子の事を傷付けた!」
「?!花子に会ったのか?!」
「あんな所に閉じ込めてっ!俺はっ、ドフラミンゴを許さねぇっ!」
ジルに会いたいと涙を流していた花子の顔を思い出したルフィの瞳には怒りの炎が宿っていた。
ーーーーーー
花子 side
窓から見える町はボロボロに破壊され所々で煙が上がっている。"ドレスローザ"を覆う糸は少しずつ近付いて来ていて触れた建物を切り刻んでいく。
「あそこにルフィ君達が…。」
この国の為に彼等は戦っているのに…私はここで見ているしか出来ないの?
「ドフィ…。」
いつも優しげな眼差しで私を見つめる彼の瞳の奥には憎しみが宿っていた。貴方の過去に何があったの?何が貴方を苦しめているの?
「よしっ!」
何が出来るかなんて分からないけど、ここでじっとしてても始まらない!私はクローゼットから鞄を取り出すと、鍵の付いた箱を積め扉に向かった。
「くっ…!」
鎖に繋がれた車椅子は私の手がドアノブに届かないギリギリの長さになっている。後少し、もう少しっ!
「届いたっ!…わぁっ?!」
飛び付く様に身体を乗り出せばドアノブに手が届いた。安堵したのも束の間、支えを失った私はぶら下がる様な体勢になる。
「う~…よいしょっ!」
少し開いた扉の隙間に手をかけほふく前進で外に出た私は必死に前に進む。待ってて、ドフィ!
(貴方は私が止めてみせるっ!)
…でもその前に私が外に出られるのと全てが終わるのとどっちが早いの?!