第23章 鳥籠を飛び出して
花子 side
ルフィ君から預かった麦わら帽子を見つめていると、突然床がガタガタと揺れ始めた。地震かと思い慌てて車椅子で窓の方に移動すると、景色が動いていて驚いた。
「お城が…動いている?」
えっ、このお城移動式なの?訳もわからず外を眺めていると、少しのノイズ音の後にドフィの声が聞こえてきた。
《"ドレスローザ"の国民達…及び客人達。別に初めからお前等を恐怖で支配しても良かったんだ!真実を知り、俺を殺してぇと思う奴もさぞ多かろう!だからゲームを用意した…この俺を殺すゲームだ!》
俺を…殺す?何を言っているの?ドフィは、自分が王宮にいる事や逃げも隠れもしない事を告げた。そして、この首を取れればゲーム終了だと続ける。
《だが!もう1つだけゲームを終わらせる方法がある!それは今から指定する者達全員の首を取った時だ!なお、首1つ1つには懸賞金かかけられる。国民達全員がハンターだ!》
ドフィの声からはルフィ君達やロー君、聞いた事ない人の名前が上げられていた。星1つに付き1億ベリー。自分の首を取るか、彼等を取るか良く考えろとドフィは楽しそうに高笑いを上げている。
《迷っている暇はないぞ…今お前等が悩んでいる間にも暴動は起き、血は流れている!次の瞬間殺されるのは、お前達かもしれねぇんだ!》
それを最後にドフィの声は聞こえなくなった。狂っていると思えるゲーム。でもドフィは本当にそれを楽しんでいる様だった。
(ねぇ、ドフィ。何か忘れてない?)
私、此処から動けないんだけどっ?!
ーーーーーー
「おい、ルフィどうする?お前はドフラミンゴの野郎をぶっ飛ばしに行くんだろ。」
「当たり前だ!」
「ならロビンと連絡を取るのが間違いないな。ウソップも気になるしな。」
子電伝虫を取り出したゾロはロビンに通信を繋ぐ。数回呼び出し音が続いた後、がちゃりと音を立てロビンの声が聞こえた。
《…はい。》
「俺だ。」
《ゾロ!?良かった、貴方今何処にいるの?》
「ルフィ達と一緒にいる。どうやら王の台地って所らしいが、面倒な事になってきたな。ウソップは?一緒なんだろ?」
《ええ、一緒よ。ちょっと酷い怪我だけど…意識はしっかりしてる。さっきので少し気を失いかけたみたいだけど。》
取り敢えずは仲間の無事を確認しルフィ達は安堵の表情を浮かべた。