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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第22章 動き出した歯車


花子 side


ベビーちゃんに部屋まで送り届けてもらい、私はベットで膝を抱え踞る。外から聞こえる破壊音と怒号。きっとロー君が何かをしたんだと思う。

ー花子っ…!ー

私を見つめるロー君は今にも泣き出してしまいそうに顔を歪めていた。

(こんな姿…見られたくなかった…!)

ーお前はもう俺の仲間だっ!ー

「…ルフィ君。」

こんな私を見たら彼等は何て言うかな?軽蔑したと…もう友達じゃないと言われちゃうかな…?

(それでも…私は…。)

ドフィを1人にする事が出来ない…憎しみに囚われ苦しむ彼を放って置く事なんて…。

「ここかぁー!?」

「?!」

バァンッと勢いよく扉が開かれ驚いて顔を上げた。明かりも着けず暗い部屋に射し込む光に目を細めながら見つめた先には…。

ー何かあったら俺を呼べ!必ず助けに行くからよ!ー

「ルフィ…君…。」

太陽の様に温かい彼の姿があった…。

ーーーーーー

「何だ?この部屋、真っ暗だなぁ~。」

「麦わら、この部屋は…。」

「ヴァイオレットさん…?」

ルフィ君の後を追って来たのかヴァイオレットさんが彼の肩を掴んだ。キョロキョロと部屋を見渡すルフィ君の目と合うと、彼は嬉しそうに顔を破顔させ私に飛び付いた。

「花子っ!見付けたぁ~!」

「ルフィ君…何で此処に…?」

「お前を探しに来たんだっ!」

後、ミンゴをぶっ飛ばしに!とぎゅうっとキツく私を抱き締めるルフィ君に鼻がツンとした。…ミンゴって誰?

「逃げるぞ!皆もお前の事待ってる!」

「…無理だよ。」

私を助けよう来てくれたルフィ君。でもここから出るわけには行かない。それに…私は…。

「兎に角、外に出よう!」

「ちょっ、待っ…!」

ぐっとルフィ君に手を引っ張られた私は、立ち上がる事無くそのままペタリと床に崩れ落ちた。

「どうした?!具合悪いのか?!」

「麦わら…彼女は…。」

立ち上がろうとしない私に慌てた様にしゃがみ込むルフィ君に、ヴァイオレットさんが悲しげに眉を下げた。

「彼女は…歩く事が出来ないの…。」

私は…ここから逃げる事さえ出来ないんだもの…。

ー自由に飛び回る翼なんて…いらねぇよな?ー

決して解かれる事のない…私を縛り付ける鎖…。

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