第22章 動き出した歯車
"魚人島"に辿り着いた麦わらの一味は新魚人海賊団と一戦を交え勝利した。島を守ってくれた礼に宴を開くと"リュウグウ王国"国王のネプチューンは彼等を城に招いた。
「ここの飯はうめぇなぁ~!」
「ふふふっ!心行くまで楽しむじゃもん!」
豪華な食事、人魚達の舞に一味は戦いの疲れを癒していると城の衛兵が切迫した様子で駆け込んできた。
「国王っ!大変です!」
「どうした!今は宴の最中じゃもん!」
「それどころではありませんっ!すぐ外にっ!」
「なんだぁ?」
慌ただしく会場を去っていったネプチューン達の背中を見つめ一味は首を傾げる。
「何だか騒々しいな…。」
「もしかしてまた敵っ?!」
「ん~?よぉし、行ってみよう!」
何だか分からないが楽しそうだと、駆け出したルフィにまたかと溜め息を漏らすも、他のメンバーも彼の後を追い掛けた。
ーーーーーー
「お~い!モジャモジャのおっさん、どうしたんだぁ?」
「ルフィ君!丁度良かった。今君達を呼びに行こうと思っておった!」
何やら困惑した様子のネプチューン。ルフィは彼の後ろにいるものに目を向けると嬉しそうに顔を綻ばせ駆け寄った。
「お前、コハクかぁ~?ひっさしぶりだなぁ!」
「ルフィ君?!スカイオルカと知り合いなのか?!」
「こいつは俺の友達だ!」
友達だと言ったルフィにコハクは若干不満げだが何かを訴える様に忙しなく鳴き声を上げる。
「チョッパー、何て言ってんだ?」
「えぇ~と…何っ?!【花子が拐われた】んだって?!」
「先程からルフィ君達を出せ、花子が大変だとそればかり言っているじゃもん。」
「よく分かんねぇけど、花子が困ってんだな!よし!すぐ行「待って、ルフィ。」
すぐに出港だと飛び出そうとしたルフィをロビンが止める。何故、止めるのだと不満そうな彼をよそに神妙な面持ちでネプチューンを見上げた。
「もしかしたら…花子が拐われた理由はコハクにあるのかも。」
「どう言う事だ?」
「ねぇ王様。貴方なら何か知っているんじゃない?…スカイオルカの事。」
「…うむ。」
確信めいたロビンの口振りにネプチューンはまだ動揺を隠せないまま静かに語り出した。