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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第20章 愛と情熱の国


花子 side


ドフラミンゴさんが向かった場所は暗く、重苦しい空気に戸惑っているとある1つの扉の前で彼は立ち止まった。

「中に入れ。」

「…私なんかした?」

どう考えても普通の部屋じゃ無いよね?まさか、利用価値が無いと分かって私殺されちゃう?!

「お前には何もしねぇよ…まだな。」

「怖い怖い怖いっ!?」

何?!その含みある笑みは?!尻込みする私をドフラミンゴさんは無理矢理中に押し込んだ。

「何…花…?」

身を縮込ませ恐る恐る周りを見渡すと中は真っ暗で床には赤いアネモネが散りばめられている。

「トレーボル、ディアマン。」

「でへへ~!了解だぁ~、ドフィ~!」

ドフラミンゴさんの呼び掛けに灯された蝋燭の火が淡く部屋を照らす。部屋にいるのはトレーボルさんとディアマンさん。そして彼等の間にいるのは…。

「ニムル君っ…?!」

「…っ、うっ…。」

両手を枷で繋がれ壁に張り付けにされているニムル君の姿。血塗れの彼に駆け寄るとまだ息はあるのか微かに呼吸が聞こえる。

「何があったの?!それより早く手当てをしないとっ!」

「花子…さん…?」

「でへへ~!まだ生きてたかぁ~!」

「まったく…。よりによって花子にちょっかいを出すとは。」

「何を…言って…?」

ニムル君の顔は殴られたのか瞼が赤く腫れ上がっている。自分の服で血を拭っていると彼は弱々しく口を開いた。

「花子さん…服が…汚れて…しまいます…。」

「そんな事どうでもいいの!ねぇ!早く手当てしないとっ!」

彼を助けてとドフラミンゴさんに縋り付けばニタリと口角を上げる。その微笑みにゾクリと背筋が凍った。

「僕は…知っていました…っ貴女が…若様の、寵愛を受けている事を…。」

「何を…。」

「それでも…僕は…この気持ちを、隠すことが…っ出来なかった…。陽だまりのように、暖かく…花の様に…柔らかく美しい、貴女を…僕は…。」

優しく微笑みかけるニムル君はそれ以上何も言わなくなった。心配になり近付こうとしたら、彼の首がゴトリと床に落ちた。

「え…。」

「でへへ~!馬鹿な奴だなぁ~!」

頭が無くなったニムル君の首からは血が吹き出し、それを見つめるトレーボルさんの笑い声が部屋に響いていた。

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