第20章 愛と情熱の国
「お前、欲しいもんはねぇのか?」
「え?」
ソファーに深く座り足の間に花子を抱え込みながらドフラミンゴは尋ねた。
「何?急に。」
「ねぇのか?」
突然の事でキョトンとするも特に無いと答えれば、あからさまに不満そうな顔をするドフラミンゴに更に花子は首を傾げる。
「服か?宝石か?」
「別にいらないけど。」
女に貢ぎたい衝動に駆られたのか?それならいつも侍らせている人達にやったらどうだ?と言わんばかりの表情の花子に、ドフラミンゴは重い溜め息を漏らすと彼女の身体を持ち上げ向かい合う体勢に抱え直した。
「…花か?」
「へ?」
「花を貰った時のお前は凄く嬉しそうだった。花を貰ったら喜ぶのか?」
少し拗ねた様な顔をするドフラミンゴに花子は目を見開いた後、可笑しそうに微笑み掛けた。
「確かに花を貰って嬉しかったけど、特別欲しいって訳じゃ無いよ?」
「…。」
「私の事を考えて選んでくれたその気持ちが嬉しかっただけ。」
柔らかく微笑む花子にドフラミンゴはよく分からないと言った表情を浮かべる。女なんて自分を着飾る物を欲しがるのでは無いかと。
「何?ドフラミンゴさん、私を喜ばせたかったの~?」
「…うるせぇ。」
「わっ!」
ふわりと身体が浮く感覚に声を上げると花子を抱えたままドフラミンゴはベットに倒れ込んだ。
「ん…ちょっと!」
すりすりと首筋に顔を寄せ甘える仕草をする彼に初めは笑っていたが、ムズンと胸を鷲掴みにされぎょっとして彼の肩を叩く。
「何してんの?!」
「フフフッ!感じてんのか?」
「んぁっ、やめっ…!」
首筋を舐められピリピリとくる甘い刺激に戸惑う。何故、胸だけでこんなにも反応してしまうのかと。
「やンッ!ぁんっ、だめっ!」
服の上から既に立ち上がっているであろう胸の突起を引っ掻かれピクンッと花子の身体が跳ねる。その反応に満足したのかドフラミンゴは彼女から身体を離す。
「なにっ、すんのよ!」
「フフフッ…期待したか?」
「?!」
耳元で囁かれ含みのある笑みを浮かべるドフラミンゴを花子はカッと頬を赤らめ睨み付けた。
(大人をからかうんじゃありません!)
(俺の方が大人だぜ、花子ちゃん?)
(ぐっ…!)確かに…!