第20章 愛と情熱の国
花子 side
お風呂を済ませそろそろ寝ようと思っていたらドフラミンゴさんがやって来た。いつもの服装とは違いラフな格好でもう一緒に寝るのが当たり前になっている気がする。
「…おい、あれは何だ。」
「ん?」
ふと彼が指を指す方に目を向けるとそこには小さな花瓶に刺さっている1輪の花。
「…お前は雑草を育てる趣味でもあるのか?」
「雑草って…。可愛いでしょ?貰ったの。」
決して派手では無いけど可愛らしく咲くその花は、最近よく行く庭園で仲良くなった庭師見習いの子に貰ったもの。
「…孔雀草か。」
「ドフラミンゴさん、花の名前なんて知ってるの?」
「…お前は俺を何だと思っているんだ。」
別に馬鹿にしてる訳じゃ無いけど彼が花の、しかも野花の名前を知っているってのは正直ビックリ。
「…。」
「どうしたの?」
真顔で孔雀草を見つめるドフラミンゴさんの顔を覗き込むと、突然抱き上げられそのままベットに押し倒された。
「…寝るぞ。」
「…突然何?」
私の胸に顔を埋める彼の頭を撫でると抱き締める腕に力を込める。
(疲れてるのかな?)
それから何も言わなくなったドフラミンゴさんが眠りに着くまで私も無言で彼の頭を撫で続けた。
ーーーーーー
花子の寝息を聞きながらドフラミンゴは先程の彼女の顔を思い出す。雑草同然の花を貰ったと嬉しそうな笑顔。
「…チッ。」
孔雀草の花言葉には、【いつも愉快】【可憐】そして…。
(一目惚れ…か。)
花子がその意味を理解しているかは不明だが、モヤモヤとした感情にドフラミンゴは思わず舌打ちを溢す。
「…面白くねぇ。」
ふと息を吸い込めばいつもと同じ甘い香り。花子の寝着の釦を外せばより濃くドフラミンゴの脳を刺激する。
「んっ、ぁ…んンッ」
下着の上から胸を揉むと鼻に掛かる様な花子の声。胸を覆う布をずらせばピンと立ち上がった可愛らしい頂が顔を出す。
「んぁっ、ぁんっ…アッ」
「フフフッ…すっかり敏感になっちまったなぁ。」
そこに吸い付き舌先で転がすとピクンッと反応する身体に満足気な笑みを浮かべる。
「アッ、ンッ…ぁあっ」
(俺は…何がしてぇんだ。)
自分の不可解な行動に溜め息を漏らし眠っている花子の胸元をそっと元に戻した。