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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第19章 桃色鳥にご注意を


花子は岩壁から海を眺めていた。ミアに大事な話があるからと呼び出され訪れたが、当の本人の姿は何処にもいない。

「ミアさん、まだかなぁ~…。」

こんな場所を選ぶなんて余程大事な話なのだろう。思い詰めた様な彼女の表情に花子は自分で力になれればと意気込んでいると、背後から人の気配を感じた。

「ごめんね、わざわざ来てもらっちゃって。」

「ミアさん!」

後ろを振り返ればミアの姿。笑顔で駆け寄れば何処かぎこちない笑顔を見せる。どうしたのかと尋ねれば、ミアは一瞬泣きそうな顔をしぐっと唇を噛んだ。

「…私ね、好きな人がいるの。」

「えっ?!ミアさんがっ?!」

「その人は私にとって全てで…私はその人の為だったら何でもするわ。」

まさかミアと恋バナをするとは思ってもおらず驚きを見せるが、愛おしそうに想い人の話をする彼女に花子は顔を綻ばせる。

「ミアさんにそんな人がいたなんて~!お相手は誰ですか?」

「…応援してくれる?」

「勿論ですよ!私の出来る事だったら力になります!」

「じゃあ…「俺と来てくれるか?」

突然背後から口を塞がれ花子は目を見開いた。口と鼻を覆う布からは薬品の臭いに顔を歪ませる。

「だ…れ…?」

「フフフッ!冷てぇなぁ…つい先日会ったばかりだろ?」

聞き覚えのある笑い声。薄れいく意識の中ミアに視線を移すと、彼女は悲しそうに顔をしていた。

(ミア…さん…?)

「ごめんなさい…。」

そうミアの口が動いた様な気がして、それを最後に花子は意識を手放した。

ーーーーーー
花子 side


ー花子?ー

だれ…?

「…ここは?」

私を呼ぶ様な声が聞こえ目を覚ますと見覚えのない天井。身体を起こすとどうやら私はベットで寝ていたみたい。

「私…どうして?」

確かミアさんに呼び出されて…それから…。まだ覚醒しきれていない頭で考えていると扉が開く音が聞こえた。

「花子ちゃん、気が付いたのね!」

「ミアさん…?」

ミアさんは安心した様なでも申し訳無さそうな顔で私に近付く。

「ミアさん、ここは?」

「…説明は後でするわ。」

今はゆっくり休んでとミアさんが私をベットに寝かせ様とした時、ズキリと頭痛がした。

「っ!」

ー見つけた…!ー

また…あの声…。

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