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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第18章 2度目の航海


レッド・フォース号は無事ジルのいる島に辿り着いた。事前に連絡していたのか港には大勢の群衆が彼等の到着を今か今かと待ちわびている。

「シャンクスさ~ん!」

「赤髪の大頭~!」

「相変わらず凄い人気ですね。」

大スターでも現れたのかと言う程の盛り上がりに、改めてシャンクスの凄さを花子は痛感する。

「花子ちゃんは無事かぁ!」

「会え無くて寂しかったぜぇ~!」

「はなちゃん~!」

大勢集まる人集りの中からは自分を心配する声。思いもよらない歓声に花子は目を見開いた。

「ほら、行ってやんな。」

「…うん。」

ベックマンに背中を押され花子はドキドキと早鐘を打つ胸を押さえゆっくりと船を降りた。

ーーーーーー
花子 side


(何だか、緊張してきた…。)

私が船を降りると先程の騒がしさが嘘の様にしんと静まり返る。左右に町の人達が道を開けゆっくりとジルさんが近付いてきた。不安で顔を俯かせていると私の目の前で気配が止まった。

「…花子。」

「っ。」

下を向いているからジルさんの顔は分からないけど、その落ち着いた声にピクリと身体を震わせる。

(何か…何か言わないと。)

言いたい事は沢山あるのに、いざ目の前にすると不安で言葉が出てこない。きゅっと唇を噛むと私を包む優しい温もり。

「無事でっ…良かったっ!」

「っ!」

私を抱き締めるジルさんの身体は震えていて…でも凄く私の事を心配してくれたんだと思うと涙が溢れ出してきた。

「っごめんなさぃ…!」

「頼むからもう、こんな事はしないでくれっ!お前がいなくなったと知った時、俺がどれ程心配だったかっ…!」

心配かけて、ごめんなさい。勝手な事してごめんなさい。キツく私を抱き締めるジルさんに私は何度も謝った。

「俺から…家族を奪わないでくれっ!」

(私は…ここにいていいんだっ…。)

私の居場所はここにあるんだと思ったら嬉しくて…子供みたいに泣きじゃくりジルさんにしがみ付いた。だから…この時私は思いもしなかった。

ーお前は…俺のもんだろ?ー

この幸せを手離す事になるなんて…。


(こんのっ馬鹿娘っ!)ゴンッ!

(いったぁっ?!何で?!)感動の再会!

(あれ程大人しくしとけって言っただろう!)

(いや~、懐かしい光景だな!)

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