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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第18章 2度目の航海


「明日には島に到着する予定です。」

「意外と早かったな。」

副船長室でベックマンは今後の航海を航海士と話し合っていた。本来なら船長であるシャンクスもいる筈なのだが、彼の性格がああなので大まかな事はベックマンが任されていた。

「お頭はどうした?」

「今日も花子にベッタリです。」

「まったく…。」

花子が船に乗ってから事あるごとにシャンクスは彼女を側に置きたがる。お陰で普段しない仕事もする様にはなったが、花子を気に入っているベックマンからしたら面白くはない。

「あいつ等に伝えろ。補充するもんも忘れずに書き出しとけ。」

「了解です。」

航海士を退出させ机に積み上げられた書類に目を通す。少し霞む目の疲れに目頭を押さえていると扉を叩く音が聞こえた。

「ベックマンさん?入っていいですか?」

「…花子か、入れ。」

思いもよらない人物の訪問に一瞬目を見開いた。部屋に入ってきた花子の手には珈琲が入ったカップが握られている。

「お仕事お疲れ様です。少し休憩しては?」

「…あぁ、ありがとう。」

山盛りとなっている灰皿に花子は苦笑いを浮かべカップを差し出す。それを受け取ったベックマンは珈琲を一口飲んだ後、徐に花子に手招きをする。

「ちょっと来い。」

「?」

首を傾げ言われるがままに近付くとぐいっと手を引かれ、向かい合う様な体勢でベックマンの膝に座らされた。

「はぁ~…。」

「…お疲れですね。」

「いつもの事だ。」

胸に顔を埋めぎゅっと自分を抱き締めるベックマンの顔を覗き込むと、目元にはうっすらと隈が浮かんでおりそっと指で撫でた。

「明日、島に着くんですね。」

「あぁ。」

「ありがとうございます。わざわざ送ってくれて。」

元々はシャンクスが決めた事だがあの場で花子を1人にするのは心配だったし、現にこうして彼女と一緒にいれる事は彼にとっても嬉しい事だった。

「…礼ならこっちでしてくれよ。」

「…スケベ。」

すっと服の裾に手をいれ腰を撫でる腕を叩きじとりと睨む花子にベックマンは可笑しそうにくっと喉を鳴らす。


(ベック~!花子知らね…何やってんだよ?!)ズルいっ!

(何だよ、お頭。入るか?)

(入るっ!)

(馬鹿じゃないの?!)

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