第17章 もう1度…
エースとの別れを済ませた花子にマルコとシャンクスが近付き、どうやって此処に辿り着いたのか尋ねる。
「マルコに何か紙貰ったでしょ?それを追って此処まで来たんだよ。」
「追ってって…お前ここは新世界だぞっ?!」
「1人で来たのかっ?!」
「ううん、コハクと一緒。」
新世界と聞いてピンときていない様子の花子にマルコは頭を抱える。この地に来るにはまず、"シャボンディ諸島"でコーティングをしまず"魚人島"を通らなくてはならない。
「…因みにだが、どうやって来たんだ?」
「どうやってって…普通に海を渡って来たよ?」
「お前、まさか…カームベルトを横断したのか?!」
「カーム?…よく分かんないけど海も穏やかだったから良かったよぉ~!」
「「「…。」」」
ケラケラと笑う花子にマルコやシャンクスのみならず、その場にいた者全員が唖然とする。カームベルトとは、グランドラインの両側に沿って存在する海域。無風な為、海は穏やかだがそこは大型の海王類の巣であり容易に渡ろうとするのは不可能に近いのだ。
「お頭、ちょっといいか?」
「…あぁ。花子、少し待っててくれ。」
「分かった。」
少し疲れた顔のシャンクスにベックマンが声をかけ、待つ様に言われた花子はけろっとした顔で頷く。
「…どうかしたか?」
「電伝虫に連絡があったんだが…。」
「?誰からだ?」
口籠るベックマンに首を傾げ電話の相手を尋ねると、彼は苦笑いを浮かべ頭を抱えている。
「…ジルさんからだ。」
「…。」
「それも相当焦っている。」
大方花子の事だろうと予想は付いているがどう説明するかと、シャンクスは頭を抱える。
「取り敢えずベックは花子を連れてきてくれ…俺が話をする。」
「…了解した。」
あの放浪娘はと、呑気にマルコと談笑している花子に悪態を付きながシャンクスは1度船内へと乗り込んだ。
(やぁ、ジルさん。ご無沙汰だな。)
(呑気に挨拶してる場合じゃねぇっ!?花子がいねぇんだっ!)
(あぁ~…その花子だが…今俺達と一緒にいるんだ。)
(はぁっ?!あの馬鹿っ、何でそんな所にいんだよっ!?)
(…。)それは俺が聞きてぇよ…