第17章 もう1度…
花子 side
ーエースは…死んだ…。ー
何を…言ってるの?シャンクスさんから告げられた言葉に頭が追い付いていかない。
「やだ…シャンクスさん、そんな冗談…流石に笑えないよ…。」
「…。」
「だって…皆、彼を助けに行ったんでしょ…?」
エース君、言ってたもん。オヤジは最強だって…。そんな人がいたら必ず彼を助けてくれるに決まってる…!
「…マルコ?」
「…っ!」
縋る様にマルコを見上げれば何かに耐える様にぐっと唇を噛んだ。ふと彼の後ろに目を向ければ大きなお墓が2つ。その1つにはエース君が身に付けていた帽子とナイフが手向けられていた。
「嘘…嘘よっ…!」
「花子…。」
「だって…約束したもん!いつか自分の仲間を紹介してくれるってっ!っ…いつかオヤジを紹介してくれるってっ…!」
ー必ず…お前を迎えにいく。ー
「またっ…会いに来てくれるって…約束したじゃないっ…!エース君っ…!」
わんわん泣きじゃくる私をマルコは何も言わずにキツく抱き締めてくれた。
ーーーーーー
「…落ち着いたか?」
「…う"ん。」
泣くだけ泣いて落ち着いた私の背中をマルコが優しく宥める様に叩く。周りを見れば私に釣られてか啜り泣く人達に、エース君は本当に愛されてたんだと思う。
「ねぇ…マルコ。私も2人に挨拶していい?」
「あぁ、オヤジ達も喜ぶ。…見送ってやってくれ。」
私の申し出を快く受け入れてくれたマルコにお礼を伝え私は2人が眠るお墓の前に立った。
「この人が白ひげさん?」
「あぁ、俺達のオヤジだ。」
【エドワード・ニューゲード】と刻まれたお墓には大きな薙刀。そして白ひげ海賊団のマークである海賊旗が掲げられていた。
「凄い人だったんだろうなぁ…。」
「オヤジは偉大だ。どうしようもねぇ俺達を息子だと…家族だと言ってくれた。」
ーオヤジは…俺に居場所をくれたんだ。ー
そう言ったエース君は凄く嬉しそうで…彼にとって白ひげがどんなに大切か分かる程だった。
(ありがとうございます…。)
目を閉じ手を合わせた時、ふわりと優しい風に包まれ顔を上げると、目の前には白い髭を蓄え堂々と佇む男の人の姿。私を見下ろす彼の顔は優しく微笑んでいる様に見えた。
ーグララララッ!親が子を守るのは当たり前だ!ー