第17章 もう1度…
歴史に残る"マリンフォード"頂上戦争は赤髪海賊団の参戦により幕を閉じた。グランドラインの後半"新世界"。花が舞い散る島に道を開ける様に左右に並ぶ白ひげ海賊団傘下の者達の先にあるのは2つの立派な墓。その墓には【ポートガス・D・エース】【エドワード・ニューゲード】の名が刻まれている。
「赤髪…何と礼を言ったらいいか…。」
「つまらねぇ事を言うな。敵でも白ひげは敬意を払うべき男だった。」
墓を見つめマルコはシャンクスに感謝の言葉を投げ掛ける。その墓は2人を弔う為にシャンクスが建てたものだった。
「こんな…立派な墓を建ててくれてっ…!」
「…。」
目を押さえ涙を耐える様にマルコは唇を噛む。そんな彼の姿に傘下の海賊達も声を殺し涙を流した。屈強な彼等のその姿に白ひげがどれ程偉大で慕われていたのかがよく分かる。
「お願いしますっ!マルコに会わせてっ!」
「何だ、てめぇはっ!?」
何処からか聞こえる女の声。折角の追悼に水を差され怪訝な顔でマルコが振り返ると、何かを取り囲む様に人集りが出来ていた。
「…どうした。」
「それが…この女が「マルコッ!」
「?!」
人集りに近付くと何やら揉めている様子。こんな時に誰だとその中心に目を向けた瞬間、トンッとマルコの胸に何かが飛び込んできた。
「…花子?」
「良かったっ!やっと会えたっ!」
ふわりと香る甘い香り。懐かしい花子の姿にマルコは驚きを隠せない様子だ。
「ねぇ…!エース君は?エース君は何処にいるの!?」
「エース…って、何でお前がエースの事を…。」
自分にしがみ付きエースの名を呼ぶ花子にマルコは困惑する。何故、彼女がエースの事を知っているのか。まず、何故彼女が此処にいるのか。
「花子…?何でお前が此処に…?」
「赤髪…。」
「シャンクスさんっ!」
聞き覚えのある声にシャンクスがマルコに近付くと、彼の腕の中にいる花子の姿に驚き目を見開いた。
「エース君は?!エース君は無事なのっ!?」
「…。」
初めは驚きを見せたシャンクスだったが花子の必死な様子に何かを察したのか、ぐっと顔を歪め重い口を開いた。
「エースは…死んだ…。」