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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第17章 もう1度…


花子 side


無事、用事を済ませた私とジルさんは島に戻ってきた。あの"シャボンディ諸島"であった事が嘘の様に穏やかな時間が流れる。

「ん?これは…。」

お店の片付けをしているとテーブルに1部の新聞があった。きっとお客さんが忘れて行った物ね。何気無しにそれを開きそこに記されていた内容に私は目を疑った。

「?!っジルさんっ!」

「どうした?」

バタバタとジルさんに駆け寄り私は記事の内容を彼に見せた。ジルさんは一瞬顔を歪めた後、ふっと息を漏らし知っていたと呟く。

「何で教えてくれなかったんですかっ!?」

「…知っていると思った。」

「私が新聞読まないの知ってますよね!」

その記事には【"火拳"のエース、公開処刑】の文字。

「…何処に行く気だ。」

「何処って…!こうしている間もエース君がっ!」

「お前が行って何になるっ!?」

お店を出ようとした私の腕をジルさんが掴み止める。何が出来るかなんて分からないけど、エース君が殺されるって知っててじっとしているなんて、私には出来なかった。

「…花子。エースは海賊だ。」

「そんなの知って…!」

「これはあいつ等の戦いだ!お前だって見ただろ。海賊と海軍の戦いを。」

"シャボンディ"でのルフィ君達の戦いを見たのは記憶に新しい。

「世間一般から言えば海賊は皆【悪】だ。お前が関わってきた奴等は良い奴ばかりだったが…。」

「でも、それは悪い海賊でっ!」

「そんな道理が通用する世の中じゃねぇんだ!」

エース君が処刑される"マリンフォード"は、海軍の本部があるらしい。当日には七武海って言う強い海賊と、3人の大将達が厳戒態勢の中執り行われるらしい。

「分かるだろ?あの時とは状況が違ぇんだ。」

「っ!」

圧倒的な戦力。私が向かったとして彼を助ける事も…ましてや会う事も出来ないのは目に見えている。

「…分かりました。」

「何、心配するな!あいつには白ひげ海賊団が付いてんだ!みすみす自分の家族を見殺しにする様な事するわけねぇだろ!」

ニカッと笑い私の頭を撫でるジルさんに頷くも胸の中にある不安が消えない。

(大丈夫…大丈夫よ…。)

だって…約束したんだもの。また会おうって…。

ー花子!ー

でも…何でだろう?エース君の笑顔が凄く遠くに感じるのは…。

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