第17章 もう1度…
無事、会場を脱出出来たルフィ達はレイリーの案内で【ぼったくりBAR】と書かれている店に身を隠した。そこで元海賊王のクルーであったレイリーからゴールド・ロジャーについての話を聞いた。
「なんだか凄い話を聞いちゃった。当事者から聞くとまた別の話みたい。」
「じゃあ…まるでこの海賊時代は意図してロジャーが作ったみてぇだな。」
レイリーから語られた話は余りにも壮大で、その場にいる誰もが開いた口が塞がらない様子。
「さて、状況も状況。船のコーティングの依頼だったな。私も今の本職を果たすとしよう。」
グラスをカウンターに置き微笑むレイリーにハチが少し渋い顔をする。船のコーティングには金がかかる。しかし、友達を助けてくれた礼だとレイリーは無料でコーティングをしてくれると言ってくれた。
「あの、おっさん!俺も一個だけ聞きてぇんだけど!【ひとつなぎの大秘宝】…ワンピースってのは本当に最後の島に…。」
誰もが気になる真実。ウソップが手を上げその疑問を口にしようとした時、ルフィが肩を怒らせ大声を上げて叫んだ。
「宝がどこにあるかなんて聞きたくねぇ!宝があるかないかだって聞きたくねぇ!何も分かんねぇけど、皆そうやって命懸けで海へ出てんだよっ!…ここでおっさんから何か教えて貰うんなら、俺は海賊やめる!つまらねぇ冒険なら俺はしねぇ!」
「…やれるか、君に。グランドラインはまだまだ君等の想像を遥かに凌ぐぞ!敵も強い。君にこの強固な海を支配できるか?」
自分を睨み付けるルフィにウソップがわたわたと慌てレイリーに何も言うなと騒ぐ。そんな彼等の様子にレイリーは勇ましく立ち上がったルフィを試す様に見据える。
「支配なんかしねぇよ。この海で1番自由な奴が、海賊王だ!」
見定める様なレイリーの視線を受けるもルフィは変わらずそう言い放つ。揺るぎない彼の強い瞳にレイリーは初めてゴールド・ロジャーに出会った時を思い出し、ふっと笑みを溢した。
(では、待ち合わせは3日後の夕刻としよう。)
(3日もかかるのか?!)
(それまで大将から逃げなくちゃいけないわね…。)
(3日間のサバイバルっ!ヨホホホホッ!恐いっ!)