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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第17章 もう1度…


花子 side


いつの間にかいなくなったルフィ君にナミちゃんが単純なんだからと、頭を抱えている。ルフィ君も負けず嫌いだなぁなんで呑気に思っているとふわふわとした何かが私の身体を包み込んだ。

「…ベポ?」

「花子~…!本当に花子?」

「ベポの知っている花子が私ならそうよ?」

「うわぁんっ!花子だぁ~!」

私にしがみ付き、良かったぁっ!とか、生きてたんだねっ!て泣きじゃくるベポに訳が分からず首を傾げる。

「花子っ!本当に良かった!」

「この馬鹿っ!俺達がどれだけ心配したとっ!」

「ペンギン…シャチ…。」

ベポに埋もれている私にペンギンとシャチも駆け寄り嬉しそうに顔を綻ばせるのに対して、スッと私の心が冷えていくのを感じた。

「…お久し振りですね。お元気そうで何よりです。」

「「何で他人行儀?!」」

「花子、こいつ等と知り合いか?」

ショックを受けた様子の2人にふいっと顔を背けるとジルさんが不思議そうな顔で彼等を見つめる。

「前お話した、少しの間だけお世話になった船の方々です。」

「…そうか…てめぇ等が…!」

「えっ…?」

「おっさん、怖いんだけどっ?!」

ジルさんには名前は伏せていたけど、粗方彼等の事は話していた。般若の様な怖い顔でボキボキと指の骨を鳴らすと、ジルさんは2人にゆっくりと近付いていく。

「てめぇ等かっ!?うちの花子を誑かせたのはっ!?」

「えぇっー?!」

「歯ぁ食い縛れっ!」

「花子!ヘルプッ?!」

ペンギンの胸倉を掴み殴ろうとするジルさんをシャチが羽交い締めにして止める。必死に私に助けを求めるけど知った事じゃない。

「お願いだよ、花子…。戻ってきて…?」

「ベポ…。」

うるうると粒羅な瞳で私を見つめるベポにキュンっと胸が高鳴る。私はスッと目を細めるとモコモコの頭を優しく撫でた。

「大丈夫よ…ベポ。あんな汚れた場所から連れ出してあげるから。」

「ん?」

「ジルさん、この子飼ってもいいですか?」

「ちゃんと世話すんだぞ。」

「ペット扱いっ?!」

えーんっと泣きながら私に抱き着くベポにちょっと意地悪し過ぎたかなと良心が痛んだ。

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