第16章 シャボン玉飛んだ
花子 side
《犯人は速やかにロズワード一家及びカバネ公爵を解放しなさい!じきに大将が到着する。早々に降伏する事を勧める。どうなっても知らんぞ、ルーキー共が!》
キーンッと耳を劈くスピーカー音と共に外から声が聞こえる。多分、海軍の人達何だと思うけど人質を解放しろと言われても、当の本人達は床に倒れ伸びている。
「ねぇジルさん。これ私達も共犯?」
「ん?あぁ…どうすっかなぁ…。」
私は拐われた身だけどジルさんはあのおじ様殴っちゃったしなぁ…。目が覚めてジルさんの事言われるのも嫌だし…。
「…記憶が無くなるぐらい殴っとく?」
「止めろ!」
外された枷を手におじ様に近付こうとする私をジルさんが必死で止める。俺に任せておけと言うので大人しくそれに従う事にした。
「俺達は巻き込まれるどころか、完全に共犯者扱いだな。」
「麦わらのルフィの噂通りのイカレ具合を見れたんだ。文句はねぇが…大将と今ぶつかるのはごめんだな。」
「あー、私はさっきの様な【力】はもう使わんので、君等頼むぞ。海軍に正体がバレては住みづらい。長引くだけ兵が増える、先に行かせてもらうぞ。」
レイさんはハチさんを背負いルフィ君達に目を向ける。その様子からは焦りは恐怖は感じられず、巻き込まれたロー君やキッドからもその感情は読み取れない。
「…お前はどうすんだよ。」
「ん~…ジルさんが大丈夫って言ってるから多分大丈夫?」
「…まぁいい。花子もいるしな。もののついでだ、お前等助けてやるよ。表の掃除はしといてやるから安心しな。」
「きゃあっ!キッド、男前っ!」
これで安心して脱出出来る!不敵な笑みを浮かべるキッドに声援を送ると彼は私の頭を撫でて悠然と会場を出ていった。
「良かったね!ジルさん!」
「…俺はお前の今後が心配だ。」
はぁ…と溜め息を漏らし頭を抱えるジルさんに首を傾げると、ナミちゃん達やペンギン達も同じ表情を見せる。…何で?
(あれ?ルフィ君とロー君は?)
(…2人なら外に出て行ったわよ。)
(?…もしかして、キッドの態度が癇に障ったのかな?)
(((…。)))それだけじゃ無いと思うけど…