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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第16章 シャボン玉飛んだ


蔓延する土煙から現れたのはルフィだった。彼はトレードマークの麦わら帽子を拾い上げるとムッと怒った顔をしている。

「何だお前、もっと上手く着陸しろよ!」

「出来るかっ?!トビウオだぞ!おめぇが突っ込めっつったんだろ!?」

怒りの矛先を向けられたのはデュバル率いるトビウオライダーズの1人。ぐったりと倒れているトビウオを労りながらルフィに愚痴を溢している。

「だから兎に角乗れって言うがお前等、サニー号に戻るのに何をそんなに急いでんだよ。…ここ何処だ?」

その近くでは状況を把握出来ていないゾロが不満そうに呟き辺りを見渡す。

「ケイミー探したぞー!良かったー!」

ステージにいるケイミーを見付け屈託の無い笑顔を放つルフィ。彼は戸惑う観衆には目もくれず彼女の元に走り出した。

「ちょっと待て、麦わら!何する気だよ!」

「何って、ケイミーがあそこに!」

「いるけど爆薬首輪が嵌められている!連れ出せねぇんだ!それに今、天竜人が絡んできてて…。」

「関係あるか!」

ハチの制止に耳を傾けずルフィはぐんぐん階段を駆け下りていく。彼を引き止め様としがみ付くも力が足りず、ハチは上着の中にある残り6本の腕を駆使してルフィを止めにかかった。

「きゃあぁーっ?!」

怯える様な悲鳴。会場内の全員の視線がハチに鋭く突き刺さる。

「何で魚人が陸にいるんだよ!」

「何あの肌の色!何その腕の数…!?怖いわ!存在が怖い!近寄らないでー!」

「海へ帰れ!化け物ー!」

(酷いっ!)

人々の目には怯えに混じったハチに対する侮辱の色が宿っていた。彼に対する人々の反応に花子はぐっと顔を歪める。

「どう言うこったよ、こりゃ…。」

「ロビンの言った通りだ…。この島では魚人族と人魚族が【差別】を受けてるって…!」

思いがけない状況にサンジが呆気に取られる中、ナミが周りの反応の理由を苦々しげに口にする。その時、2発の銃声が会場内に響き渡った。

「むふ~ん♪当たったえ~!魚人を仕留めたえ~!」

銃を片手に小躍りしているのは先程ケイミーを5億で買った天竜人。そして、彼の足元には血を流し倒れているハチの姿があった。

「!」

「待ちなさい。」

(何でよ!何で誰も彼を助け様としないの?!)

ハチの身を案じ飛び出そうとする花子をカバネが引き戻した。

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