第15章 仲間
別れの挨拶をする為に船を下りた一味は花子の持つ大きな麻袋に興味を示す。
「花子、これは何なんだ?」
「忘れるところだった、これお土産。」
ゾロとサンジにボコボコにされているルフィをよそにチョッパーが尋ねると、袋を下ろし口を開いた。
「これ欲しがっていた薬草です!」
「わあっ!こんなにいいのか!?」
袋の中身は数十種類あろう薬草の数々。丁寧に種類別に分けられているそれに、目を輝かせたチョッパーは花子に飛び付いた。
「ありがとう、花子!凄ぇ嬉しいっ!」
「~っ!チョッパーさぁんっ♡」
「…こいつ、このまま連れて行けんじゃねぇか?」
「ヨホホッ!いやぁ~胸が温まりますね。私、温まる胸無いんですけど!」
メロメロ~とチョッパーを抱き締める花子にウソップは呆れ、微笑ましそうにブルックは2人を見つめる。
「後、ナミちゃんとロビンちゃんにはこれ。」
「これは…香油かしら?」
「うん!前2人が欲しいって言ってたから作ってみたの。間に合って良かったぁ!」
渡された小瓶からはふわりと良い香りが漂う。ナミには柑橘系、ロビンにはフローラルな香りの物。わざわざ自分好みの物を作って貰い2人は顔を綻ばせた。
「ありがとう!大切に使うわ!」
「ふふっ、素敵な香りね。」
「気に入ってもらえて良かった!」
そろそろ出航の時間だと船に乗り込む皆を見つめ花子は腕の中にいるチョッパーに視線を移す。
「チョッパーさん…お別れですね。」
「うん…。花子、また会えるよな?」
「勿論です!何処にいようともチョッパーさんの事をいつも思っていますよ!」
ぎゅうっとチョッパーを抱き締め花子は彼の鼻にキスを落とした。
「「あぁー!?」」
「大好きですよ、チョッパーさん!」
「俺もっ大好きだぞっ!」
「これは…もう結婚ですか!?」
「馬鹿言ってんじゃねぇよ!」
もう1度キスをしようとした花子からゾロがチョッパーを引ったくり、サンジとルフィが鬼の形相で迫って来た。
(チョッパー!お前ずりぃぞ!)
(花子ちゃん!俺にも熱いキスをっ!)
(ゾロ君、返してっ!)
(マジでお前、いい加減にしろよっ!)