第15章 仲間
花子 side
一夜明けルフィ君達の出航の時間が迫っている。昨日ずっと考えてて決心がついた。
「よしっ!行こうっ!」
パンッと頬を叩き気合いを入れると私は家を出て彼等の待つ港に向かった。
ーーーーーー
「花子、来るかなぁ~…。」
「どうかしら…。結構悩んでいた様子だったから。」
「来る!絶対来るっ!」
出航の時が刻一刻と迫る中、チョッパーは柵に攀じ登り呟く。そんなチョッパーの頭をロビンは優しく撫でルフィは大丈夫だと腕を組み彼女が現れるのを待った。
「!花子だ!」
「何か荷物持ってるぞっ!」
「じゃあっ!」
「お~い、花子~!」
港に現れたのは大きな麻袋を持った花子の姿。彼女の様子に全員顔を綻ばせ待ちきれないとルフィは船から飛び降り花子に駆け寄った。
「遅せぇぞ!」
「ごめんね。」
さぁ行こう!と花子の腕を掴むが彼女はその場から動こうとしない。首を傾げるルフィに花子はふぅ…と息を吐くと真っ直ぐに彼の目を見つめた。
「ルフィ君。私は…行けないわ。」
「…。」
「皆と海に出るのは楽しいと思うけど…やっぱり私はこの島を離れたくない。」
見ず知らずの自分を受け入れてくれた島の者達。娘だと言ってくれたジル。彼等と離れるにはまだ覚悟が足りない。
「私はこの島の皆が大好きだから…だから、行かない。」
「…分かった。」
真っ直ぐな花子の瞳にルフィは顔を俯かせ呟いた。誘ってくれて嬉しかったよと微笑む花子の身体をぐっと引き寄せキツく抱き締めた。
「花子!忘れるなっ!」
「ん?」
「お前はもう俺の仲間だ!もし何かあったら俺を呼べ!」
必ず助けに行くからよ!とニカッと笑うルフィに花子は目を見開いた後、ふわりと微笑んだ。
「ありがとう。」
「っ!」
嬉しそうな花子の笑顔。その顔を見たルフィはぐっと息を飲み彼女の唇に自分のそれを重ねた。
「「「あ。」」」
「る…ルフィ君?!」
「しししっ!わりっ!したくなった!」
悪びれも無く言うルフィに花子は仕方無いなと苦笑いを浮かべる。
(くそゴム!てめぇ何やってんだ?!)
(…。)いらっ
(中々やるわね。)
(あのルフィがねぇ…。)