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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第15章 仲間


「明日、この島を出るわ。」

麦わらの一味が店を訪れいつもの様に大量の料理が運び込まれた時、ナミが花子に声をかけた。

「そう…なんだ。」

「正確には明日の昼頃なんだけど。」

「それじゃあ、お見送りに行くね。」

いつかは来るであろう別れ。いざ現実を突き付けられ花子はしゅんと肩を落とす。

「花子!俺達と来いよ!」

「だから私は…。」

「海は楽しいぞ~!」

キラキラと輝くルフィの笑顔。彼等と海に出ればきっと楽しいに違いない。しかし、花子は首を縦に振らなかった。

「…まぁ、まだ時間はあるからゆっくりと考えてよ。」

「俺、もっと花子と一緒にいたいぞ!」

「俺達はいつでも歓迎するぜ!」

「絶対だぞ!絶対来いよ!」

快く自分を歓迎してくれる彼等に眉を下げ微笑むだけで、花子は何も答えなかった。

ーーーーーー
花子 side


(明日かぁ…。)

明日、ルフィ君達はこの島を発つ。そうすれば彼等とは暫く会えなくなってしまう。それが何年か、何十年か…もしかしたらもう会えないかもしれない。

「…花子。」

「ジルさん?どうしたんですか?」

お店も終わり片付けをしているとジルさんが神妙な顔で厨房から出てきた。

「あいつ等、明日発つんだってな。」

「そうみたいです。」

寂しくなりますねと言うとジルさんは私に近付くとそっと頭に手を置いた。

「…行ってもいいんだぞ?」

「え…?」

「お前がもしあいつ等と一緒に行きたきゃ行っていいんだ。」

「っ!」

ガシガシと頭を撫で微笑むジルさんにきゅっと胸が締め付けられた。

「でも…お店が…。」

「ここの事は気にすんな。カナもいるし何とかなる。」

「…。」

「お前航海の話を聞くといつも楽しそうにしてただろ?そろそろ自分のやりてぇ事をしてもいいんじゃねぇか?」

「私のやりたい事…。」

「嫌になったら帰って来りゃあいいんだ。ここはお前の家なんだからよ。」

もう上がっていいぞとジルさんは厨房に戻って行った。私のやりたい事…。確かにもっと色んなものを感じてみたい。この目で色んなものを見てみたい。

(私は…。)

我が儘を言ってもいいのかな…?

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