第15章 仲間
花子 side
ー誰にでもヘラヘラしやがって…!ムカつくんだよっ!ー
ゾロ君の言葉がグサリと胸に突き刺さった。
ーお前を見てるとイラつくんだよ。ヘラヘラと誰にでもケツ振りやがって。ー
何で?どうして?私は只嫌われたく無いだけなのに…。どうしたらいいか分からないよっ…。
「…泣くな。」
「っ…泣かせたのはゾロ君でしょ…!」
水着と短パンを引き上げグズグズと泣く私をそっとゾロ君は抱き締めた。そのぎこちない手付きに酷い事をされたのに思わず笑みが溢れた。
「…お前がクソコックと仲良くしてっから。」
「…んえ?」
「あいつと買い物してただろ。」
確かにお使いを頼まれた時、たまたまサンジ君と会って荷物を持ってくれた。お店の人と話をしていたら不意にサンジ君が私の頬を撫でた。
ー可愛いなぁ…。ー
蕩けてしまいそうな甘い声に思わず頬が熱くなったのは覚えている。
「そん時、お前あいつに触られて顔赤くしてただろうが。」
ゾロ君を見上げれば罰が悪そうな…照れた様な顔。もしかして…。
「ゾロ君…ヤキモチ焼いたの?」
「っ!」
思わず心の声が漏れてしまうとゾロ君は顔を真っ赤にして私から身体を離す。あれ?あれれ?
「ゾロ君…私の事、好きなの?」
「ばっ?!そんなわけねぇだろっ!?」
「え?!そこまで否定するの酷くない?」
そこまで力いっぱい否定しなくても!少し落ち込んだ仕草をする私を見て、ゾロはいや、その、と何かぶつぶつ言っている。
「ヤりてぇなら俺でいいだろ。よりによってあいつと…。」
「…人を色狂いみたいに言わないでよ!」
確かにそう言うのに関してあんまり抵抗無いけど!私だって人を選ぶわっ!
「もうこんな事しないでね?」
「…。」
「…今度したら一生口利かないし、触らせないから。」
キッと睨み付ければゾロ君はうぐっと言葉を詰まらせ、何故か仕方無さそう頷いた。
「もうコハクの所に行く予定だったのに…。」
仕事の準備もあるし中に出されたから薬も飲まなきゃいけない。私の事を待っているであろうコハクに心の中でそっと謝った。
「…帰んのか?」
「うん、時間無いし。」
「…送る。」
「…何もしないからね。」
ジトッとゾロ君を睨み付ければチッと舌打ちしたので、お腹を殴ったら私の方がダメージを負った。…くそっ!