第13章 欲
花子 side
身体を綺麗にした私達はバスタブに溜められたお湯に浸かる。後ろから抱き締める様にしているゾロ君は機嫌が良さそうに私の髪を弄っている。
「…股関節、痛い。」
「鍛え方が足りねぇな。」
そう言う問題じゃない!ヤッちゃったもんは仕方無いけど何でよりによって…!
(チョッパーさんのお仲間なのよー!?)
流された私も悪いよ?!でも…でも…!
「チョッパーさんに合わせる顔がない…!」
「気にする事ねぇだろ。」
「ゾロ君はね!」
大好きなチョッパーさんのお仲間に手を出したなんて…知られたら絶対嫌われちゃうよ~…。
「逆に聞くがお前はチョッパーとヤりてぇのかよ?」
「なんちゅう事言うの?!」
止めてっ!私のチョッパーさんを汚さないでっ!私とチョッパーさんは清いお付き合いなんだからっ!…でも、もしチョッパーさんとそう言う事になったら。
ー花子…俺、頑張るなっ!ー
「…ぐっとくるかも!」
「…やっぱお前馬鹿だ。」
「うひゃあっ?!」
きゃっ♡と頬を両手で包むとゾロ君の呆れた声と共に胸を鷲掴みにされる。ムニムニと掌で遊ばせるゾロ君の腕を叩くと意外にもあっさりと止めてくれた。
「お前がチョッパーとヤる事はねぇし、俺がさせる訳ねぇだろ。」
「…ゾロ君は私の恋路を邪魔するの?」
「大体、お前のそれは恋じゃねぇだろが。」
お腹に腕を回しぎゅっと抱き締めるゾロ君にうっと言葉に詰まる。確かにチョッパーさんにはフラれたし、私のこのトキメキが恋かと言われたら分からない。
「…でも、好きなんだもん。」
別に恋仲になりたい訳じゃないけど…彼の笑顔を見たらキュンっと胸が高鳴る。
「だったら俺にしとけよ。」
「え?」
「恋だ何だはお前の勝手だが…ヤる相手は俺にしとけよ。」
「ゾロ君…デリカシーて言葉知ってる?」
一瞬、キュンッてしちゃったじゃん!怒りを込めて彼の腕をペシペシ叩くと、頬を掴まれぐるりと後ろを向かされた。
「お前だって良かったろ?」
「ぐっ…!」
悔しいけど…気持ち良かった。でも、それを言うのは癪で顔を顰めるとニヤリと笑ったゾロ君がちゅっとキスをしてきた。
「俺は良かったぜ?」
やだ!イケメン!最低な事言ってるのに顔が良いってズルい!無言で目を逸らす私にゾロ君は可笑しそうに喉を鳴らせた。