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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第14章 紳士の愛


サンジ side


仲間達がまだ眠っている中、俺はキッチンで朝食の仕込みをしている。ナミさんやロビンちゃんのあの魅惑のスタイルや健康の為にも栄養バランスはかかさねぇ!

「一服でもするか…。」

準備が終わり少し休憩しようと甲板に出る。

「…ふぅ。」

煙草に火を着け肺一杯に煙を吸い込む。いつも騒がしい昼間とは違い聞こえるのはさざ波の音。穏やかな空気が流れるこの時間が俺は好きだ。

「あははっ!」

「?…何だ?」

朝焼けに輝く海を眺めていると何処からか小鳥の様な可愛らしい声が聞こえた。声のする方に目を向けると何かが跳ねた様な水飛沫が見える。

「わぁっ!」

「…花子ちゃん?」

海面に見えるのはコハクと戯れている花子ちゃんの姿。彼女のお尻を鼻先で押し上げるとコハクはスッと海に沈む。支えを失った花子ちゃんの身体はそのまま海に着水した。

「ぷはぁっ!…もう~、この悪戯っ子め!」

「…。」

海面から顔を出した花子ちゃんは戯けた様な声を漏らしコハクに抱き着く。コハクも彼女に甘える様にその巨体を擦り付ける。

「よしよし、甘えん坊だね~。」

(彼女は…本当に人魚なのか…?)

その声はとても優しくキラキラと輝く海面に照らされている姿は幻想的で、お伽話に出てくる人魚の様に美しく息をするのも忘れる程だった。

「あっ!サンジく~ん!」

「!」

彼女の姿に見惚れていると花子ちゃんは俺に手を振り近付いてくる。船体までくるといつもと変わらぬ笑顔を向けてくれた。

「やぁ、花子ちゃん。おはよう、早いね。」

「おはよう、サンジ君もね。」

折角だからお茶でもどうかと誘うと花子ちゃんは嬉しそうに微笑み、コハクに身体を押し上げて貰っていた。ふわりと浮いた身体を柵に移動させた彼女に手を差し出すと、恥ずかしそうにハニカミそっと手を重ねた。

「サンジ君、王子様みたい~!」

「じゃあ、花子ちゃんは人魚姫だね。」

タオルを持って来ようと彼女に待っててもらい俺は急いで船内に向かった。

(今日は…良い日になりそうだ。)

タオルを握り締め甲板に向かう俺の心はいつもよりも穏やかだった。

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