第13章 欲
ルフィ side
「花子はよぉ~、海に出たいとは思わねぇのかぁ?」
「ん~…。」
サニーの頭に座って花子を後ろから抱えながら俺は海を眺めている。海から顔を出すコハクに話しかける花子は凄ぇ楽しそうで、一緒に冒険したらもっと楽しいと思うんだ!
「ルフィ君達と冒険したら凄く楽しそうだとは思うけど…。」
「じゃあ一緒に行こうぜっ!」
「私、戦闘能力0よ?特に何も取り柄無いし。」
「花子の飯は美味かったぞ!」
「…サンジ君がいるでしょう。」
花子の飯は凄ぇ美味かった。サンジとは違う何かホッとする味で、何て言ったら良いか分かんねぇけど美味かった!
「別に強くなくでもいいだろ?なんかあったら俺が守ってやる!」
「それ只の足手纏いだよね?」
全然うんて言わねぇ花子に何かモヤモヤする。違ぇんだ。よく分かんねぇけど花子と一緒にいてぇんだ。
「俺、花子の事好きだぞ?」
「本当に?嬉しいなぁ。私もルフィ君、好きだよ。」
嬉しそうに笑う花子から甘い匂いがした。甘いもんとは違う、なんかこう…。
(美味そうな匂い…。)
ーーーーーー
花子 side
(え…?)
ルフィ君に頬を掴まれ後ろを振り向かされると目の前にはルフィ君の顔と唇に柔らかいものが触れた。
「ん…。」
キスをされたと理解するのにそんなに時間は掛からなかった。でもキスと言うには余りにも幼く、まるで何かを食べる様に舐めたり啄む様なそんなキス。
「えっと…どうしたの?」
「何か…美味そうだった。」
エース君もそうだったけどこの世界の人は、人間に対して食欲が沸くのかな?
「…お味はどうでした?」
「ん~…分かんねぇ!」
ニカッといつもの笑顔を見せると、もっとくれと言う様にルフィ君は私の唇にかぶり付いた。
(んっ、ちょ…ルフィ君!)長いっ!
(…なぁ、何かムズムズしてきた。)
(?!君にはまだ早いっ!)
(?)