第13章 欲
「なぁ~花子~!仲間になれよぉ!」
「ならないよ。」
「じゃあ、仲間になれよ!」
「じゃあの使い方間違ってるよ?」
「「「…。」」」
再びジルの店を訪れた麦わらの一味。店に入った瞬間、ルフィは事ある事に花子に仲間になれと誘い掛ける。
「ねぇ、ルフィ。何で突然花子を仲間にしたいと思ったの?」
「ん?あいつ、いい奴にだろ?」
昨日まではそんな事何も言わなかったのに、どう言う心境の変化なのか検討も付かずナミが彼に尋ねると、ケロッとした顔を見せる。
「確かにいい人だけど、もしかしてそれだけで仲間にしようとしてんの?」
「駄目か?」
「駄目に決まってんでしょ!?」
「その前にあいつ、戦えんのか?」
海賊になると言う事は常に危険が伴う。少なからず自分の身は自分で守れなければすぐ命を落としてしまう。
「花子、お前強ぇのか?」
「そんな訳無いでしょ。非力、一般ピーポー。武器何て包丁以外持ったこと無いわ。」
「…包丁は武器じゃねぇけどな。」
武器になる様な物と言う意味なのだろうけど少し的外れな花子の解答に、やっぱこいつはアホだとウソップは呆れた顔をする。
「大丈夫だ!何かあっても俺が守るから!」
「…ねぇ、彼って言葉通じないの?」
「ふふっ。それくらい貴女が欲しいって事ね。」
何を根拠に言っているのかは不明だが自信満々なルフィの態度に花子はロビンに耳打ちし、ジルに呼ばれたので花子は彼等から離れるとキッチンに姿を消した。
「…ルフィ、お前も分かってんだろ。俺達が目指すもんは遊びじゃねぇんだ。」
「そんなん分かってる!」
「あの女は諦めろ。何も出来ねぇ奴を船に乗せた所で足手纏になるだけだ。」
厳しい様だがゾロの言う事は間違ってはいない。先日の"スリラーバーク"でも何とか生き延びる事は出来たがそれは運が良かっただけ。これから自分達が目指す場所はそんな猛者達がゴロゴロいる新世界。
「嫌だっ!」
「てめぇはっ!いつもいつも我が儘言いやがって!」
「俺は花子が仲間じゃないと嫌だっ!」
話を聞いていたのかと顔を顰めるゾロにルフィは嫌だの一点張り。
「俺は…花子が好きだっ!」