第13章 欲
花子 side
ルフィ君とエース君が兄弟。それを聞いて何と無く納得した。太陽の様にキラキラと輝く笑顔。子供の様な無邪気な姿。後、凄い食欲に本当に2人は似ていると思った。
「それじゃあ、エース君の他にもう1人お兄さんがいたの?」
「あぁ!サボって言って俺達は3人で兄弟の盃を交わしたんだ!」
サボ。その名前には聞き覚えがある。確か、まだロー君と一緒にいる時にある島で出会った金髪の男の子。
「…でも、サボは死んじまったんだ。」
「…。」
「だから、俺はエースと約束したんだ!サボの分まで俺達は自由に生きるって!だから、俺は絶対に海賊王になるんだ!」
そう言ったルフィ君の目は真っ直ぐで、1つの事に向かって走ってる彼が凄く羨ましく思えた。
「きっとルフィ君ならなれるよ。」
「当たり前だ!それにシャンクスとも約束したんだ。」
「シャンクスさんと?」
そう言えばジルさんがルフィ君とシャンクスさんは知り合いみたいな事言っていたなぁ。ん?待って…ルフィって…もしかして。
ーあいつは、きっと凄ぇ海賊になるぞぉ~!ー
「もしかして…ルフィ君って"フーシャ村のルフィ君"?」
「ん?そうだけど。」
「シャンクスさんから話聞いてたのよ!そっかぁ!君だったのね!」
何で今まで気付かなかったんだろう。頬の傷、ルフィと言う名前。シャンクスさんと知り合いだってとこで気付くべきだったわ!
「花子はシャンクスの事知ってんのか?」
「うん、彼がこの島に来た時ね。君の事色々話してくれたよ。」
頬の傷の事もねと、目の下の頬を指差すとルフィ君は罰の悪そうな顔を見せた後、麦わら帽子を脱いで見つめていた。
「シャンクスは俺の命の恩人なんだ。この帽子はシャンクスから預かってんだ。…必ず返しに行くって。」
「そうなんだ。」
ー次の世代に俺は全てを託した。ー
そう言った時のシャンクスさんは凄く楽しそうにしていた。何か思うところがあったのか、彼にとってルフィ君は特別な存在なんだと思う。
「じゃあ、彼等に負けないくらい凄い海賊にならないとね。」
「当たり前じゃねぇか!」
出来れば彼等が再会する時、その場にいたいと思っている私がいた。
(なぁ、花子。)
(なぁに?)まだご飯、足りない?
(俺の仲間になれよ!)
(え、無理。)