第13章 欲
ルフィ side
「はい、お待たせしました。」
「ぅほほ~!うまほぉ~!」
花子が運んできた飯は全部美味そうで見た事無いもんもあった。食ってみると凄ぇ美味くて分かんねぇけど何かホッとする味だ。
「ふふっ、沢山あるからそんなに急がなくても大丈夫だよ。」
「美味ぇよ!…っうぐっ?!」
「ほら、言わんこっちゃない…。」
急に苦しくなって胸を叩けば花子が水を差し出してくれた。慌ててそれを流し込むと喉のつっかえが無くなってホッと息を吐いた。
「はぁ…死ぬかと思った~!」
「誰も取らないからゆっくり食べなよ。」
落ち着いたからまた食い始めていると突然花子が笑い出した。
「あははっ!急に寝たりしないでね。」
「ん?そんな勿体ねぇ事しねぇぞ?」
エースじゃあるめぇしと思っていると、ふと花子の後ろにある棚が目に入った。
「なぁ、それどうしたんだ?」
「ん?これ?」
そこに飾られているもんに見覚えがある。赤と白の腕輪は確かエースが着けてたもんだ。
「これはね、友達に貰ったの。やるべき事が終わったらまた会いに来るからって。」
「花子…エースを知ってんのか?!」
それを大事そうに手に包み込む花子に驚いた。そっかぁ~!エースもこの島に来てたのか!
「ルフィ君はエース君と知り合いなの?」
「エースは俺の兄ちゃんだ!」
そう言うと花子は何か納得したような顔をする。いつ来たんだと聞くと俺達が来る1ヶ月ぐらい前だったらしい。
「今頃何してるかな?ちゃんと…ご飯食べてるかな?」
「…。」
エースの事を思い出す花子は優しい顔をしてたけど寂しそうにも見えた。
ーその人の命…もう…消えかけてるわよ…!ー
"スリラーバーク"でエースのビブルカードを見た時、そう言われた。本当は助けに行きてぇけど俺が行くとエースはきっと嫌がるだろうな。
「エースならきっと大丈夫だ!」
「そうだね。…何処でも寝るのは心配だけど。」
大丈夫…エースはそんな簡単に死ぬ様な奴じゃねぇ!それに約束したんだ!
ー次に会う時は…海賊の高みだっ!ー
何より…花子の悲しむ顔は見たくねぇと思った。