第13章 欲
花子 side
今日もコハクに会いに入り江に来た私。一緒に遊んでいつもと変わらない時間を過ごすつもりだったけど。
「なはははっ!これ楽しいなぁ!」
「…。」
目の前では身体を丸くさせたルフィ君をコハクがボール遊びをするかの様に鼻先で弾ませながら遊んでいる。
(…凄くシュール。)
入り江に行く途中でまたまたルフィ君に会って付いてくると言ったので、特に断る理由も無かったし了承して今に至る。
(人ってあんなに身体を膨らませられるものなのね…。)
聞けば彼は悪魔の実の能力者らしく、身体をゴムの様に伸び縮みさせる事が出来るらしい。能力者の事はある程度は分かっているけど、この世界は本当にビックリする事が沢山あるなぁ。
「ん~…よっと!あ~、面白かった!」
「良かったね。」
遊ぶのに満足したのかルフィ君は身体を元の形に戻すとピョンと飛び私の隣に戻ってくる。
「こいつ人懐っこいなぁ~!」
「私もビックリ。」
どちらかと言えばコハクは警戒心が強い方だから、あんまり私以外に触れられるのは嫌う。まぁルフィ君に対しては完全にボール扱いだったけど、それを言ったら可哀想なので心の中に留めておこうと思っていると、ぎゅるるる~!っと凄い音が聞こえた。
「腹減ったなぁ~…。」
お腹を押さえルフィ君がその場にへなへなと崩れ落ちる。え?!今のお腹の音?!ブルドーザーか何かかと思ったよ?!
「もうすぐお昼だね。コハクと遊んでくれたお礼にご馳走するよ。」
「いいのか!?」
がばりと起き上がりキラキラと涎を垂らしながら目を輝かせるルフィ君が、何処と無くエース君に似てて思わず笑ってしまった。
ーーーーーー
「めぇ~しっ!めぇ~しっ!」
「ちょっと待っててね。」
ルフィ君を家に招待してご飯が出来るまで昨日の残り物や果物を出し待ってもらおうとしたけど、ものの数秒でその全てを平らげた。
「え?!手品っ?!」
「美味かったぁ~!飯はこれだけか?」
「いや…まだあるけど…。」
少しは時間稼ぎになるかと思ったけど全然だったわね…。この年齢の男の子って皆こうなのかな?
「すぐ作るから待っててね。」
「おうっ!早くなぁ~!」
待ちきれないと言う様にテーブルをバンバン叩くルフィ君の姿に思わず顔が綻び、これは久々に頑張らないとと気合いを入れた。