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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第2章 目が覚めると


イッカク side


(もう!本当にこいつ等はハイエナかっての!)

花子の周りに集まるクルー達に私は頭を抱える。酒に酔わせて何かをしようって言う魂胆が見え見えだっての!

「いっかく~、楽しいねぇ!」

「あんたは飲み過ぎ!」

ふにゃふにゃと赤ら顔で無邪気な笑顔を見せる花子に私は水を差し出す。

(こっちの気も知らないで…。)

こいつ等が馬鹿な賭けをするのは今に始まった事じゃない。気紛れにキャプテンが乗せた女を誰が落とすかなんて。まぁ、結果的にキャプテンに掻っ攫われていくんだけどね。

(でも、花子は…。)

今までの女ならどうでもいい。泣こうがどうなろうが知った事じゃ無い。でも、花子だけは…。

ー海賊とかの前に1人の女の子でしょう?ー

(初めてだった…そう言ってくれた人は…。)

海賊だから1つの所に長くはいられない。そんな中でも仲良くなった奴等もいる。

ーえっ…海賊?ー

ー海賊って…やっぱり野蛮なんでしょう。ー

私が海賊と知ると皆怖がって距離を置く。私は好きで海賊になったし、キャプテンが率いるこのハートの海賊団のクルーである事を誇りに思う。

ー私はイッカクの事が好きだし、それに海賊の友達がいるって何か格好良くない?ー

怖い思いをした筈なのに、それでも花子は私の事が好きだと…友達だと言ってくれた。

「んん~…。」

「ちょっと花子、ここで寝ないで。」

酒も回ってきたのかウトウトとフナを漕いで花子が私の肩に凭れ掛かる。もう…そんな無防備な姿を見せると…。

「花子~?眠いのかぁ?」

「俺が部屋まで運んでやろうかぁ?」

「馬鹿っ!そこは俺だろ!」

そら見た事か。ハイエナ達が涎を垂らして群がってきた。

「私が運ぶからあんた達は触んじゃないよ!」

「何だよ、イッカク!お前には関係な…キャプテン?」

花子の肩をぐっと引き寄せ馬鹿共に睨みを利かせていると、キャプテンが私から花子を奪い取った。

「俺が運ぶ。」

「いや…キャプテンの手を煩わせる訳には…。」

「あ?」

「「「何でもありません!」」」

キャプテンに睨まれちゃ何も言えない。背筋を伸ばした馬鹿共に不敵な笑みを浮かべるとキャプテンは花子を抱え姿を消した。

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