第12章 セカンドラブ
花子 side
次の日ジルさんのお宅に顔を出したけど、案の定彼は二日酔いだった。ごめんねと何度も頭を下げるアギトさんに二日酔いの薬を渡すと、私は1人町を歩く。
(今日も良い天気だなぁ~。)
コハクの所に行ってその後は薬を作ろうと今日の予定を考えていると、見覚えのある姿に思わず顔が綻んだ。
「チョッ~パ~さぁん♡」
「うわぁっ?!花子?」
ふわふわモコモコの身体をトテトテと一生懸命に動かす彼の愛らしさと言ったら!思わずその小さな身体を抱き上げると、驚いた後に私だと分かると嬉しそうに破顔させた。
(はぁ…好き!)
「何してんだ?こんな所で、どっか行くのか?」
「私はコハクの所に行こうと思って。チョッパーさんは?」
「俺は医学書を探しに…。」
いいの無かったけどな、としょぼんと眉を下げる。あぁっ…!ごめんなさい!この島の店の品揃えが悪いばっかりにっ…!
「そうだ!チョッパーさん、私とデートしませんか?」
「え?」
どうにか元気になってもらいたくて私はチョッパーさんを抱えたまま、ある場所に向かった。
ーーーーーー
「紹介します!私の友達のコハクです!」
「あの時の鯱かぁっ!」
いつもの入り江に着き私を待っていたコハクはチョッパーさんの姿を見るとあからさまに嫌そうな顔をした。
「コハク、この間会ったチョッパーさんだよ。私の運命の人!」
「俺はトナカイだっ!?」
コハクにチョッパーさんを紹介すると、ケッ!とでも言い出しそうな感じで小さく鳴いた。何を言っているか分からない私に対し、彼は鼻息荒くコハクに向かって叫んでいる。
「?コハク、何て言ったんです?」
「…"このチビ狸が"。」
「コハクっ?!」
何て口の悪い!叱る様に顔を向ければつーんと顔を反らし不満そうに鳴くコハクに、今度は頷きながらチョッパーさんは笑顔を見せる。
「どうしたんですか?」
「"花子は俺のなのに。最近花子が他の奴に盗られて寂しい"って言ってる。」
「!」
「コハクは花子の事が大好きなんだな!」
最近色んな人に絡まれてコハクには心配ばかり掛けてる気がする。あの反抗期も私に構って欲しかったのだと思うと可愛く思える。
「私も大好き!」
これでもかってぐらい愛を叫べば答える様にコハクもひと鳴きする。