第12章 セカンドラブ
今日はもう店仕舞いだとゾンビ化した客とカナやミアを帰し、ジルはルフィ達と昔の話に花を咲かせていた。
「へぇ~!おっさんも海賊だったのか!」
「おう!ゼフが船長で俺は副船長だったがな!」
「じゃあ強ぇのか?」
「昔は"鉄鞭"のジルって少しは有名だったんだぞ~!」
酒も入り上機嫌で話すジルをルフィ達も目を輝かせ聞いている。これは話が長くなるだろうと花子は苦笑いを浮かべナミ達にデザートを出した。
「ごめんね。ジルさん昔の話をし出すと長いの。これサービスよ。」
「あら、ありがとう。」
「何で男ってこう言う話が好きなのかしら…。」
女には分からない男のロマン。呆れた顔で彼等を見つめるナミに花子も同感だと大きく頷いた。
「どうぞ、チョッパーさん♡私が端正込めて作ったわたあめパフェです!」
「わあぁ~っ!」
「贔屓が凄ぇな…。」
フルーツと生クリームがふんだんに使われ、アイスの間には彼が大好きな色とりどりのわたあめが層となって敷き詰められている。上にこんもりと盛られたわたあめの頂上には真っ赤なさくらんぼがちょこんと乗っており、色鮮やかな見た目にチョッパーは目を輝かせていた。
「これ食っても良いのか!?」
「勿論です!貴方だけの為に作りました。私の気持ちです♡」
きゃっ恥ずかしいっ!と顔を盆で隠し乙女の様な仕草をする花子に、逆に清々しいなとウソップがしら~とした目線を向ける。
「花子~!ちょっとつまみ作ってくれ!」
「…え。」
(((うわぁ…凄く嫌そう…。)))
口をへの字にしてあからさまに嫌そうな顔をする花子。
「こいつの作るつまみは旨ぇぞ!酒呑みの事を良く分かってる!」
「嫌ですよ、面倒臭い。私もお酒飲みたいです。と言うかチョッパーさんとお話がしたいです!」
(((それが本音か…。)))
つまみと言う言葉にゾロが初めて彼女に興味を示す。余程、花子の料理を食べさせたいのか急かすジルの様子に、ロビンがチョッパーに耳打ちする。
「花子…。」
「はい♡何ですか?チョッパーさん!」
「俺も…花子の料理食ってみたい。」
「?!」
目を潤ませ自分を見上げるチョッパーの姿に、花子はうぐっと唸ると何かに撃ち抜かれた様に胸を押さえた。