第12章 セカンドラブ
「バラティエ?サンジ?」
ルフィの言葉に花子と言い合いをしていたジルが彼等に目を向け、サンジの姿を確認すると嬉しそうに破顔させた。
「サンジ!お前、サンジなのか!?」
「あ?」
「でっかくなったなぁ!海賊になったと聞いたがこんな所で会えるとはなぁ!」
「サンジ君、知り合い?」
「いや…。」
いきなり名前を呼ばれ困惑するサンジにナミが尋ねる。初対面の筈なのに自分を見て嬉しそうにニッと笑うジルの顔にサンジはハッとする。あれは彼が幼い頃、ゼフの友人だとたまにバラティエに訪れては色々と話をしてくれた男の姿。
ー海は広ぇからな!チビ助の知らねぇ事がまだまだ沢山あるぞ!ー
「…ジルのおっさんか?」
「やっと思い出したか!このチビ助!」
少し老いてはいるが屈託の無い笑顔はあの頃のままで久々の再会にサンジも嬉しそうに笑顔を見せる。
「ここ、おっさんの店だったんだな!」
「あぁ、家業は倅に任せて俺は悠々自適に隠居生活だ!」
「ジルさん、サンジ君と知り合いなんですか?」
会話に花を咲かせる2人に猫の様に首根っこを掴まれている花子は不思議そうな顔でジルを見上げた。
「お前もバラティエのゼフは知ってるだろ?こいつはその息子みたいなもんだ。」
「…あぁ!チビナス君?」
「花子ちゃん、クソジジイの事知ってんのか?!」
「うん!時々、電話で話をする程度だけど。」
素敵なレディに自分の事を知って貰えて嬉しい筈なのに、チビナスと覚えられてサンジは微妙な顔をした。
「後、麦わらの兄ちゃん。お前、シャンクスが言ってたルフィだろ?」
「おっさん、シャンクスの事知ってんのか?!」
「知ってるも何も、この島はあいつの縄張だぜ?」
「え…。」
「「「えぇ~?!」」」
驚愕し目を見開く麦わらの一味に花子はあ、知らなかったんだと思いながら、早く首根っこを離して欲しいと1つ溜め息を漏らした。
(よよよっ…四皇の縄張ぃ~?!)
(大丈夫か?!俺達、潰されないか?!)
(大丈夫です!チョッパーさんには指一本触れさせませんっ!)任せてっ!
(この島に危害加えなけりゃ大丈夫だ!)