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貞操観念低めな子が色んな感情をぶつけられる

第10章 真っ直ぐな瞳


エース side


仕事があるからと花子と別れ俺は1人町を歩いている。ある男を追っていた俺はたまたまこの島に立ち寄った。ここは赤髪のシャンクスの縄張で奴の人柄だろうか、この島は皆笑顔で活気に溢れていた。

(変な奴だったなぁ~…。)

先程の花子の笑顔を思い出す。誰とも知らねぇ海賊を家に招き入れあまつさえ飯まで出しやがった。

(警戒心無さすぎだろ…。)

ふわりとした不思議な雰囲気の女。きっと血生臭い世界等知らず平穏に生きて来たんだろうな。

「腹…減ったな。」

花子を思い出すと突然、空腹が襲ってきた。賑やかな声を聞きながら取り敢えず飯屋を探し始めた。

ーーーーーー

「まさか、あの白ひげ海賊団の"火拳"のエースさんにお会い出来るとは思いませんでしたぁ~。」

「…そうか。」

「この島にはどんなご用事で?」

「…たまたま立ち寄っただけだ。」

うぜぇ…。飯屋を探し町の奴に聞くと良い店があると紹介されたから行ってみたが、俺が白ひげ海賊団のエースだと分かると関係を持とうと女達が群がって来やがった。

「はなちゃん~!こっちビール2つ追加ー!」

「はぁい!」

「こっちは海王類のステーキ1つなぁ!」

「はいはい、ちょっと待ってね~!」

何より驚いたのはこの店に花子が働いていた事だ。さっき会った時の柔らかい雰囲気とは違い、忙しなく動き回る花子を目で追っていると隣にいる女が声を掛けてきた。

「エースさんも彼女狙い?」

「…いや。」

「止めといた方が良いですよ?彼女、シャンクスさんとベックマンさんのお気に入りだから。」

何で赤髪と接点があるのかと聞けばつい最近赤髪達がこの島に来たんだと。

「そしたらお2人共彼女にご執心で!」

「なぁんで、あんな普通の人に入れ込むんですかね?」

「…。」

確かに特別美人って訳じゃねぇが、手入れされた黒髪は艶やかで大きな黒い瞳は吸い込まれそうな程綺麗だ。それにあの笑顔を見ると何だか守ってやりたくなる様な気持ちになる。

「…あいつは、可愛いぜ?」

「「え?」」

飯を食い終わり席を立つ俺に誘いを掛けてくる女達を断り花子に近付いた。


(あれ?もう帰るの?)

(美味かった、また来る。)

(うん!待ってるね!)

(…。)可愛い…

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